ひとりでは生きられないのも芸のうち (文春文庫) の感想

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参照データ

タイトルひとりでは生きられないのも芸のうち (文春文庫)
発売日販売日未定
製作者内田 樹
販売元文藝春秋
JANコード9784167801151
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会一般

購入者の感想

 本書の文庫本のためのあとがきで、内田先生は、「 自立は『その人なしでは生きてゆけない人』の数を増やすことによって達成される。」と主張しています。

 そして、この自立に関する驚くべき考えを、文化人類学者であるレヴィ=ストロースが発見した< 贈与交換の原理 >で基礎づけている!のですが、これには更にビックリしました!

 レヴィ=ストロースによれば、< 贈与交換についての基本ルール >は、次のようなものです。

 < 何かを手に入れたい!と思ったら、他人から贈られる他ない! そして、この贈与と返礼の運動を起動させよう!としたら、まず自分がそれと同じものを他人に与えることから始めなければならない! >

 それで、内田先生は、この『 ひとりでは生きられないのも芸のうち 』という本も、< 内田先生から読者への一種の「贈り物」である! >と考えて欲しい!とコメントしています。

 仮にそうだ!とすると、< 本書のレビューを書いて投稿する! >ことは、内田先生からの「贈り物」に対して< 反対給付という返礼 >をする!ということになり、このことは、本書に関係する< 贈与と返礼のサイクルのうちに巻き込まれている! >ということを意味する!のではないでしょうか?

 もしもそうだ!とすると、このレビューを書いたことに対する返礼を、< いつの日か内田先生以外の誰かから、思いもかけない形で受ける! >ことになるのかも?しれません。

 そう考えると、ウキウキしてくる!ので、これからも、< 何か思いついたらアマゾンにレビューを投稿しよう! >と思っています。

内田先生のブログはとても好きで、毎回読んでいます。本書を購入したきっかけは
あとがきに、上野千鶴子の本へのアンサーソングとして書かれた、という
一文があったから。
私も上野さんの本がベストセラーになった時、強烈な違和感を感じたものの一人です。
だって「元東大教授で、お金をもってて、一般庶民とは全く異なる生活様式の女性」が
書いた老後の本、「普通の人」に参考になるとは思えない。相変わらず「お金をもった
自立した個人」が前提とされていること、悪しきクロワッサン的思考とでもいうのかな。
そんなこんなでページをめくると、何度読み返しても自分を振り返るだけでなく、
社会のあり方を考えざるを得ないのです。
I can not live without you のyouの数をどれだけ増やせるかが、
大人の成熟度なのだ、と内田先生は主張します。
「絆」とわざわざ呼ばなくても、人間本来の生のあり方にその社会性が
埋め込まれていることを改めて感じさせてくれる良書です。

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文藝春秋から発売された内田 樹のひとりでは生きられないのも芸のうち (文春文庫)(JAN:9784167801151)の感想と評価
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