陽気なギャングが地球を回す 祥伝社文庫 の感想

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参照データ

タイトル陽気なギャングが地球を回す 祥伝社文庫
発売日2013-03-22
製作者伊坂幸太郎
販売元祥伝社
JANコード登録されていません
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陽気なギャングが地球を回す 祥伝社文庫 とは

   確実に他人の嘘を見抜くリーダーを筆頭に、正確な体内時計の持ち主、演説の達人、天才スリという面々で組織されたギャング団が活躍する長編サスペンス。著者は、言葉を話すカカシ「優午」が殺されるという奇想天外なミステリー『オーデュボンの祈り』や、レイプという犯罪の末に誕生した主人公「春」の苦悩を爽快なタッチで描いた『重力ピエロ』など、作品ごとに個性的なキャラクターを生み出してきた伊坂幸太郎。特異な才能を持つ4人の男女が、思わぬ事態に巻きこまれていく本書は、その真骨頂ともいえる痛快クライム・ノベルだ。

   市役所で働く成瀬、喫茶店主の響野、20歳の青年久遠、シングルマザーの雪子たちの正体は銀行強盗。現金輸送車などの襲撃には「ロマンがない」とうそぶく彼らの手口は、窓口カウンターまで最小限の変装で近づき「警報装置を使わせず、金を出させて、逃げる」というシンプルなものだ。しかしある時、横浜の銀行を襲撃した彼らは、まんまと4千万円をせしめたものの、逃走中に他の車と接触事故を起こしてしまう。しかも、その車には、同じ日に現金輸送車を襲撃した別の強盗団が乗っていた。

   著者の持ち味ともいえるのは、コメディー映画のような軽妙なストーリーの中に、自閉症の子どもや、中学生のいじめといった、活劇とはそぐわないように見えるテーマを、違和感なく滑りこませている点である。社会から異端視されている者たちを、シニカルにではなく、爽やかに描いてきた著者は、本書においても「正しいことが人をいつも幸せにするとも限らない」と高らかに宣言する。どこまでも明るいギャング団の奮闘の影には、そんな著者からの深遠なるメッセージが見え隠れしている。(中島正敏)

購入者の感想

この作品を一言で説明するなら、帯にあるように「軽妙洒脱なクライム・コメディ」となってしまうのですが、
TVドラマシリーズ「俺たちは天使だ!」を思い出して頂けると、多少雰囲気が理解できるハズ…と思います(笑)。
主人公は、無意識に人の嘘を察知できる成瀬、妙に博識で饒舌な演説の達人響野、
人並みはずれた動物好きの天才スリ久遠、限りなく精巧な体内時計を持つ雪子の4人組銀行強盗団です。
こう書くと、ひとクセもふたクセもあるキャラ設定に引いてしまう方もいらっしゃるかも知れませんが、
この作者の手にかかると、極上のエンタテインメントに仕上がってしまうから不思議です。
あとがきで、作者が「90分くらいの映画が好きで、この小説を書いてみました」と語っていますが!、
キレのいい会話(相変わらずの博覧強記っぷりです!)、巧妙なプロット、二転三転のストーリー展開といい、
読了後には、確かに上質の映画を観終わった後に感じるのと同じような爽快感・満足感が得られます。
ノベルズですから価格も廉価です。映画代の半分以下です(笑)。是非ご一読を♪

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