プロ野球スカウトが教える 一流になる選手 消える選手 (祥伝社黄金文庫) の感想

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タイトルプロ野球スカウトが教える 一流になる選手 消える選手 (祥伝社黄金文庫)
発売日販売日未定
製作者上田 武司
販売元祥伝社
JANコード9784396315092
カテゴリ » ジャンル別 » スポーツ・アウトドア » スポーツ

購入者の感想

3章以降は、自分の自慢がとても鼻につく内容ながら、本の体裁は一応なしている。
しかし、その前が致命的に終わっている。
「世間を騒がせた一場(靖弘)問題では、一部の球団が栄養費を渡していたことが発覚して大騒ぎになりましたが、逆指名や自由獲得枠でとれただけに、悪いこととは知りながらやらざるを得なかったのでしょう」
この当時はすでに逆指名制度がなかったことはご愛敬だが、何より悪質なのは、栄養費を渡していたことが発覚した球団は読売巨人軍であり、同年獲得の亀井義行の入団に漕ぎつけたとの背表紙の記述から、この年のチーフスカウトは著者であったと類推できること。つまり、他人事として記載しているが、自分が全責任を負う不始末であったということである。

この件や、球界内の暗黙の了解である、高橋由伸の家族に対して逆指名を取るために10億以上の借金を肩代わりしたことも含めると、著書内にある巨人に入りたいがための内海や長野の入団拒否も、金目当てではないかと勘ぐられても仕方がない(ついでに言えば、一場問題で他に栄養費授与が発覚した横浜と阪神のオーナーは引責辞任したが、巨人のオーナーのみ会長職となり、何ら責任を取っていないことからも裏金問題を反社会的行為と認めていないと思われる)。また、実名を伏せて球界内の金にまつわるエピソードが書いてあるが、もし本当だとしても目くそ鼻くそを笑う状態であるし、上記のような虚偽作文を平気でおこなう人間の著作であるから、巨人がおこなった行為である可能性すらある。

このほかにも、「職業選択の自由を奪うドラフト制度は酷な制度」と記述があり、どうやら巨人軍関係者にとって、巨人のプロ野球選手と他球団のプロ野球選手というのは異なる職業であるという認識が行き渡っているようである。日本テレビでさえ野球中継を支えるだけの視聴率がとれず、野球人気の衰退が叫ばれている昨今、野球界の共存共栄という考えではなく、巨人さえ良ければよい、ばれなければ何をしても良いという考えに固執し続ける(2010秋のドラフトでも澤村一本釣りに際し、大森スカウトが「企業努力の結果」と言っていた)球団が盟主という扱いでは、プロ野球界の衰退が加速するのもやむを得まいと感じた。

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