デザイン工学の世界―工学リベラルアーツ教育用教科書 の感想
参照データ
タイトル | デザイン工学の世界―工学リベラルアーツ教育用教科書 |
発売日 | 販売日未定 |
販売元 | 三樹書房 |
JANコード | 9784895225687 |
カテゴリ | ジャンル別 » ビジネス・経済 » マーケティング・セールス » 商業デザイン |
購入者の感想
芝浦工業大学で2009年に開設されたデザイン工学部の、新入生を対象とした基礎科目のテキストとして企画された本です。
対象は主に建築物と私たちを取りまく工業製品で、デザイン工学の目的、歴史、デザインの事例、設計・製造技術、デザイン工学に対する期待という流れで解説されます。各項目に対して短い解説で様々なキーワードが散りばめられていますが、初学者には理解できないと考えられるものが多く、基本的に講師が本テキストをベースに解説を行う講義形式を想定して編集されたものと思います。そしてリベラルアーツ教育用教科書と題しているためか、数式の類は入っていません。しかし、工学を学ぶ以上、そこで使われる基本的な数式を理解しているのは当然であり、文系学生のための座学にはよいかもしれませんが、工学的なものの考え方を学ぶ上では少々、疑問に感じるまとめ方です。そもそもデザインは座学で学べるものではなく、実践を通して身につくものです。
レビュー者はG. Pahl and W.Beitz, "Engineering Design: A Systematic Approach"を蔵書していて、この本はシステム的アプローチにより機械設計が解説される内容で設計や製造、そして重要な数式などについても解説され、体系的な知識が身につけられるように配慮されています。
本書は「デザイン工学=Engineering Design」としていますが、この本と比較すると学部生のテキストとしてはかなり見劣りすると言わざるをえません。「デザインとは何か」について十分な理解ができていない段階で、建築と工業製品を同列にデザインを論じるのは新入生を対象と考えた場合、無理があります。
なお、失敗については実践で学んで欲しくないため、「失敗学―デザイン工学のパラドクス 」(青土社、2007)などを読まれることをお勧めします。
対象は主に建築物と私たちを取りまく工業製品で、デザイン工学の目的、歴史、デザインの事例、設計・製造技術、デザイン工学に対する期待という流れで解説されます。各項目に対して短い解説で様々なキーワードが散りばめられていますが、初学者には理解できないと考えられるものが多く、基本的に講師が本テキストをベースに解説を行う講義形式を想定して編集されたものと思います。そしてリベラルアーツ教育用教科書と題しているためか、数式の類は入っていません。しかし、工学を学ぶ以上、そこで使われる基本的な数式を理解しているのは当然であり、文系学生のための座学にはよいかもしれませんが、工学的なものの考え方を学ぶ上では少々、疑問に感じるまとめ方です。そもそもデザインは座学で学べるものではなく、実践を通して身につくものです。
レビュー者はG. Pahl and W.Beitz, "Engineering Design: A Systematic Approach"を蔵書していて、この本はシステム的アプローチにより機械設計が解説される内容で設計や製造、そして重要な数式などについても解説され、体系的な知識が身につけられるように配慮されています。
本書は「デザイン工学=Engineering Design」としていますが、この本と比較すると学部生のテキストとしてはかなり見劣りすると言わざるをえません。「デザインとは何か」について十分な理解ができていない段階で、建築と工業製品を同列にデザインを論じるのは新入生を対象と考えた場合、無理があります。
なお、失敗については実践で学んで欲しくないため、「失敗学―デザイン工学のパラドクス 」(青土社、2007)などを読まれることをお勧めします。