ニッポンを議論しよう。 の感想
参照データ
タイトル | ニッポンを議論しよう。 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | フォーラム21 梅下村塾27期生 |
販売元 | 丸善プラネット |
JANコード | 9784863452244 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門 |
購入者の感想
本書は、サラリーマン達が日本の将来という慣れない課題について、様々な現場に足を運びながら勉強し、自分なりの結論を出していく、そのプロセスを描いている。そこには、紆余曲折もあり、幼稚な議論もあり、到達点もはっきり言って玉石混淆。ただ、それは、借り物ではない彼らの自前の議論であることが分かる。
今、巷間には様々な提言モノの類書が溢れているが、学者や政治家のものがほとんどで、提言は立派でも、国民がどのように「痛み」を伴うその結論へと到達しうるのかが分からない。「べき」論は「べき」論に過ぎず、国民自身がどうやったら、心の底からその結論へと達しうるかが示されていないものが多い。遠回りに見えても、やはり本書の「私」のように国民の一人ひとりが「自前の議論」で梯子を一段ずつ上がっていかねばならないのだろう。
一読後、「これは一種の教養小説(ビルドゥングス・ロマン)だな」と思った。つまり、民間企業のサラリーマンがパブリックなものへと目覚めていく成長物語である。哲学研究者の長谷川宏氏がヘーゲルの『精神現象学』を「地図のない知の旅」と評しているが、それとも近い。紆余曲折の議論を追いかけていくうちに自然とパブリックなものへの梯子を上らせてもらうような感覚がした。これは、貴重な読書経験だった。
逆に本書を受験勉強的にアクションプランリスト、提言集として読んでしまうと、もったいない。
今、巷間には様々な提言モノの類書が溢れているが、学者や政治家のものがほとんどで、提言は立派でも、国民がどのように「痛み」を伴うその結論へと到達しうるのかが分からない。「べき」論は「べき」論に過ぎず、国民自身がどうやったら、心の底からその結論へと達しうるかが示されていないものが多い。遠回りに見えても、やはり本書の「私」のように国民の一人ひとりが「自前の議論」で梯子を一段ずつ上がっていかねばならないのだろう。
一読後、「これは一種の教養小説(ビルドゥングス・ロマン)だな」と思った。つまり、民間企業のサラリーマンがパブリックなものへと目覚めていく成長物語である。哲学研究者の長谷川宏氏がヘーゲルの『精神現象学』を「地図のない知の旅」と評しているが、それとも近い。紆余曲折の議論を追いかけていくうちに自然とパブリックなものへの梯子を上らせてもらうような感覚がした。これは、貴重な読書経験だった。
逆に本書を受験勉強的にアクションプランリスト、提言集として読んでしまうと、もったいない。