再生産 〔教育・社会・文化〕 (ブルデュー・ライブラリー) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル再生産 〔教育・社会・文化〕 (ブルデュー・ライブラリー)
発売日販売日未定
製作者ピエール・ブルデュー
販売元藤原書店
JANコード9784938661243
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 教育学 » 教育学

購入者の感想

 1970年に発表された、フランスの社会学者ピエール・ブルデューによる教育分析。支配階層から権威を保証された学校が、如何にして支配階層が望む形で社会階級を保存するのかを、独特のハビトゥス論で明らかにしていく。

 この著作を入手してから何度も読み解こうとしてそのつど失敗し続けてきたのだが、カントの三大批判書とレヴィ=ストロースの「野生の思考」を読み込んでから挑戦したら、何とか意味が分かりはじめてきた。ブルデューがここで始めて具体化したとされる「ハビトゥス」は、「野生の思考」でレヴィ=ストロースとサルトルが対立していた論点から止揚されてきた概念であることが分かってきたからだ。この書物でのブルデューの論考は基本的にレヴィ=ストロースが「野生の思考」で用いた手法に似ていて、その手法をさらに一歩進めたのがここでの論理展開なのだと思う。「野生の思考」では既にプラクティスとプラチックの違いについての言及もあり、もしかしたらサルトルの「弁証法的理性批判」にも同じ用語が用いられているのかもしれない。とにかく、手法においては先人との連続性が想起され、そこを踏まえると分かりやすさも増すのではないか。

 内容については第一部と第二部に分かれていて、第一部は番号を付されて箇条ごとに短い説明が付されている構成なので、教育についての具体的事項を常に頭に思い浮かべないと全く意味が分からないと思う。自分も、きちんと意味を捉えきれたとは到底言えないのが事実だ。

 第二部はうって変わって、比較的意味を捉えることのできる首尾一貫した論述形式になっている。分析の対象は一貫してフランスにおける教育制度なのだが、今の日本の状況を考えてみると、例えば十年前に読むよりも格段に理解しやすい内容になっている。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

再生産 〔教育・社会・文化〕 (ブルデュー・ライブラリー)

アマゾンで購入する
藤原書店から発売されたピエール・ブルデューの再生産 〔教育・社会・文化〕 (ブルデュー・ライブラリー)(JAN:9784938661243)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.