だからテレビに嫌われる の感想

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タイトルだからテレビに嫌われる
発売日販売日未定
製作者堀江 貴文
販売元大和書房
JANコード9784479392170
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » マスメディア » 放送

購入者の感想

堀江はまえがきならぬ前説で、テレビのおかしさを是正するのは、テレビを信じきっている人であり、テレビ局で働いている内部の人間であると結論付けています。本書はそのような人を対象に書かれていますが、テレビ局に対して懐疑的である私のような人間にも様々な情報を与えてくれます。

一章では堀江、上杉の両者共がテレビから影響を受けて育ってきたことを懐古し、現状のマスコミが第四の権力として機能しながらも、ネットの発達に伴い徐々にその影響力を低下させていくだろうと予測しています。
最もページを割いているのが二章で、「言論の自由」がないテレビ局というテーマで、自主規制を効かせる方法など、当事者でなければ分からない事情にも触れています。「記者クラブ」「官房機密費」「クロスオーナーシップ」等の諸問題に蓋を被せるテレビ局の在り方に怒りを感じます。映画監督の鎌仲ひとみをスタジオに招いたら、電事連がスポンサーから降りた件など、視聴者よりもスポンサーに目が向いているテレビ局の姿勢が改めてよく分かりました。格差社会を問題視するテレビ局内部に最も大きな格差があることや、報道に関してスピンコントロールと化し、メディアフレンジーという恥ずべき状態になっていることなど、本国マスコミの末期的状況が丁々発止の会話の中でテンポよく語られていきます。また、テレビ局に政治家の子弟の多くが勤務している実態を踏まえて、ジャーナリスト面をするなという上杉の告発も的を射るものです。ニュースキャスターは根っからのジャーナリストがなるもので、現場を知らないタレント上がりがやるものではないのですが、その点でも日本は変わっています。改革すべき点は多々あります。三章では3.11を巡る報道についての疑義や矛盾、四章では放送利権に触れています。

上杉と烏賀陽の共著『報道災害【原発編】』も読みました。共通する話題もありますが、本書はテレビを巡る諸問題に焦点を絞った対談本として、テレビメディアの内部の矛盾や齟齬を分かりやすく解説しています。六章では現状のコンテンツの在り方ではいずれテレビ局は衰退していくであろうことを予測しています。CMもなくなると。視聴者を思考停止にさせ、喧噪のみを流すテレビ局はもはや無用の長物なのかもしれません。

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