アスベスト惨禍を国に問う の感想

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参照データ

タイトルアスベスト惨禍を国に問う
発売日販売日未定
販売元かもがわ出版
JANコード9784780303049
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 地球科学・エコロジー » 産業廃棄物・公害

購入者の感想

 いま大阪地裁で争われている全国で初めての、世界でも初めての国賠訴訟の原告や弁護団による本である。
 戦前からアスベストが肺がんや中皮腫だけでなく肺機能を低下させるじん肺の一種である石綿肺を引き起こすことがかなり詳しく明らかになっていた。それも国自身の調査で。しかし石綿は安く重宝であるからと産業界は使い続け、国は積極的に規制してこなかった。こうしたことを告発している。
 尼崎のクボタが石綿入りの水道管を大量生産するために大規模な設備投資をした時期は、国が簡易水道制度を全国の自治体にひろげるために、補助制度をつくっていった、その時期に符合する。戦艦や戦車は大量の石綿をつかった。爆撃されても火や熱が広がるのを防ぐ必要があったから。戦後すぐは農業の復興のために化学肥料を大量生産した。硫酸アンモニウムの生産に石綿のフィルターを大量に使った。など、国策で石綿は使用され続けた。石綿被害はまず何より国による人災であることがわかる。
 クボタは周辺住民の石綿被害者にたいして、労災なみといわれる見舞金を支給しているが、責任を認めていない。それは国が責任を認めず、国の制度の枠内で国が認可する枠内で使っていたからだ。
 そのほか、4大公害(水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそく)のどれよりも石綿関連疾患で死んだ人はすで数倍、数十倍の死者をだしていることや、今後も被害者が増えていくというのも衝撃的だ。
 ほかにもいろいろ気がついたところがあるが、これくらいで。

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