やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。9 (ガガガ文庫) の感想

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参照データ

タイトルやはり俺の青春ラブコメはまちがっている。9 (ガガガ文庫)
発売日2014-04-18
製作者渡 航
販売元小学館
JANコード9784094514827
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » ライトノベル

購入者の感想

タイトルの通り,まとめの巻になります.
8巻の終わりから先が気になる展開でしたが,その期待に答える,満足感の得られる展開でした.
気になる人は是非読んでみることを勧めます.
以降,少しネタバレがあります.

この巻では,八幡の過去を代表する折本と,八幡がかつて提案した方法で当時の問題を解決した鶴見留美という,八幡に関わる重要人物が登場します.
今回はぎくしゃくした奉仕部の関係から始まり,そして今まで奉仕部にきた依頼を特に悩まずに対処してきた八幡が悩み,自分が今までやってきたことは間違っていたと考え,他のメンバーに助けを求めて.依頼を達成します.
今回の見所は,この八幡が奉仕部のメンバーに助けを求めるシーンです.
特に,「相手に分かられたいんじゃなくて,分かりたい」といったことや,その後の一色に繋がる「本物が欲しい」は結構ジンときました.「本物が欲しい」は一色が言った時の方がインパクトが強かったですが.
それと,その後の雪ノ下の描写も変わるので,こちらも印象的です.

なお,八幡が,自分のしてきたことが間違っていると考えたきっかけの1つが,かつて助けた鶴見留美なのですが,そこまで否定するほど悪い方法じゃなかったように個人的には思っています.
八幡以外の方法で,かつての鶴見の問題を避けることって,実際ほとんどないんじゃないかと思うからです.
このへんは個人差があると思いますが.

今後の話を考えると,雪ノ下姉妹と葉山の過去やそれにまつわる話と,雪ノ下親子の関係が残っており,大きな行事は正月は卒業式,春休みくらいなので,それで終わりなのかな?と思っています.
俺ガイルが終わると思うと結構むなしくなります.

シリーズ当初の頃を思えば、まさかここまでの物語になるとは予想が難しかったのでは無いかと感じます。
ラノベ界は今に至るまで鈍感な(ふりをするものも含め)主人公が幾人も世に送り出されています。
その中にあってこのシリーズの主人公である比企谷八幡は斜に構え、穿った見方をしてばかり、
そして人との繋がりを信用せず、己の殻を固く守り通して来ました。

本シリーズはそうした一人の少年を丁寧に追い続けているのではないでしょうか。
ラノベ作品の多くに見られがちな無駄な引き延ばしもなく、比企谷のよく言えば我が道を行く、
悪く言えば相手の心情を顧みることの出来ない臆病さが、様々なエピソードを通して次第に破綻へと進ませてしまいました。
ラノベ作品の傾向としては冗談の様に上手くいきすぎるか、或いは破滅的に終わるかの両極に分かれる事が多い様感じますが
本シリーズは巻を重ねる毎に痛々しさを増しているのにもかかわらず、
後味の悪さよりも比企谷の変化を応援したい、見届けたい思いにさせられます。

今回はクリスマスイベントを他校と共催する中での人間関係の難しさを描いています。
前巻までの経緯により、儚くも何かを期待させるかの関係を築きつつあった奉仕部も
当初の頃以上にぎくしゃくとさせてしまい、比企谷は自分だけで動かざるを得ません。
嘗ての独りとは異なる自分とどの様に向き合うか、文芸作品の様な遠回しな表現も無い分
今の人たちにもよく伝わるものがあるのではないでしょうか。
特に比企谷を優しく導かんとする平塚先生とのやりとりはとても感じ入るものがあります。
表紙が平塚先生であるのは偶然ではないのでしょう。
生徒との距離が友人感覚(に近しいものも含め)な教師がラノベでは幅をきかせておりますが、
平塚先生の場合、生徒と親しく付き合っていながらも大人としての立場をきちんと弁え(させ)ています。
主人公達が若くなってしまうのは仕方が無い事ですが、それを支え、導ける大人が描けていると言う点も
本作品の良さとして良く表れた本巻出会ったと思います。

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