わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書) の感想
参照データ
タイトル | わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 西林 克彦 |
販売元 | 光文社 |
JANコード | 9784334033224 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » 文学・評論 |
購入者の感想
著者は読解力がつかない本当の原因は、単に文章を理解できないことにあるのではなく、理解したつもりになっていることにあるとする。そして、より深い読解力をつけるためには、まず現段階では「わかったつもり」でしかないことを自覚し、その状態から「脱却」することが必要であると説く。
小学校の国語の教科書に掲載されている文章を題材にしながら、実際にその過程をなぞっていこうとする試みは実におもしろい。最終的には現在の国語教育に対する提言まで行っている。
読解の構造を認知心理学あるいは科学的な観点も踏まえて解き明かしている点で、現在受験を控えている学生ばかりでなく、広く大学生・社会人にとっても得ることの少なくない本である。読解力は何も国語の点数を取るためだけに必要なのではない。自ら問題点を発見し、日常生活や仕事の質をより高いレベルに持っていくためにも大切な力である。学校での国語学習はむしろ将来必要となるそうした読解力を養成することに重点を置くべきであり、試験問題もそれに沿った形で作成されるべきであるとする著者の考えには共感するところが多い。
何にせよ人間は思い込むと、その状態にロックオンしてしまって思考が停止してしまいがちである。そのことによって実生活で弊害が起きてしまうこともしばしばである。より高みに到達するには、まず正面から疑ってかかることであろう。現状に満足していたりあるいは現実に目をそむけていてはロックオンした状態からは抜け出せない。
本書は人生をよりよく生きる一つのきっかけを与えてくれる本である。
小学校の国語の教科書に掲載されている文章を題材にしながら、実際にその過程をなぞっていこうとする試みは実におもしろい。最終的には現在の国語教育に対する提言まで行っている。
読解の構造を認知心理学あるいは科学的な観点も踏まえて解き明かしている点で、現在受験を控えている学生ばかりでなく、広く大学生・社会人にとっても得ることの少なくない本である。読解力は何も国語の点数を取るためだけに必要なのではない。自ら問題点を発見し、日常生活や仕事の質をより高いレベルに持っていくためにも大切な力である。学校での国語学習はむしろ将来必要となるそうした読解力を養成することに重点を置くべきであり、試験問題もそれに沿った形で作成されるべきであるとする著者の考えには共感するところが多い。
何にせよ人間は思い込むと、その状態にロックオンしてしまって思考が停止してしまいがちである。そのことによって実生活で弊害が起きてしまうこともしばしばである。より高みに到達するには、まず正面から疑ってかかることであろう。現状に満足していたりあるいは現実に目をそむけていてはロックオンした状態からは抜け出せない。
本書は人生をよりよく生きる一つのきっかけを与えてくれる本である。