やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。〈7〉 (ガガガ文庫) の感想

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参照データ

タイトルやはり俺の青春ラブコメはまちがっている。〈7〉 (ガガガ文庫)
発売日2013-03-19
製作者渡 航
販売元小学館
JANコード9784094514025
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » ライトノベル

購入者の感想

 本作は修学旅行編。文化祭で比企谷が葉山らから反感を買った直後の話。

海老名:変わらない男子の友情を願う(自分に寄るな)
三浦:横槍を入れるな(怒)
戸部:海老名に告りたい
葉山:現状維持を望む意気地なし。比企谷は信用に値せず

 修学旅行(京都)でロマンチックな告白を望む戸部と、仲間の亀裂を嫌うその他大勢。
 奉仕部はこの矛盾する案件を引き受けた。修学旅行3日目夜in竹林、戸部の告白チャンスで比企谷は・・・

 前回(文化祭)の件は自己犠牲というより単なる皮肉のように感じられたが、今回は完全にヤケクソ。

 ぼっちは外部のコミュニティに与える影響は限られている。外部から哀れみもされもしない。でも嫌われはする。
 だから、”自己犠牲”なんて別のリア充にやらせておけばいい。でも、ぼっちにはそれができない。なんだかんだ言って、リア充も馴れ合うだけの意気地なしで役に立たん。
 ぼっちが奉仕部を担うのはこの上なく困難。

 色々考えさせられる作品であった。

6巻の文化祭と同じく、八幡に回ってくるのは悪役というか、常に貧乏くじを引いてしまう位置にいます。
ただ今までと違うのは、八幡の「選択肢の無い選択」を雪乃と結衣二人が、はっきりと拒絶した点にあるでしょう。

今まで彼は自分を騙し、他者を騙し、それを都合よく容認し合うことを嫌悪するが故にぼっちだったのです。そんな彼が今回は自分の行動を正当化しようとするあまり、結衣どころか自分さえ騙せない様な欺瞞を吐く事になります。文化祭後の平塚先生のお説教が今になって染みてくるのではないでしょうか。

さて、今まで比企谷八幡と対照的な人物といえば、雪ノ下雪乃でした。
性格の苛烈さと完璧であるが故に周囲から疎まれ、出る杭のごとく引き抜かれ野ざらしにされたぼっちです。
前巻までは影のようにくすむ彼が太陽のように輝く彼女に憧れ、それ故に勝手に理想を押し付けて失望してしまうということがありました。
現状を肯定する八幡と、姉への対抗心か変革を望む雪乃。相反する部分がありながら、根っこのところでは二人共優しくて正しい人間なのです。

対して今回引き合いに出されたのは海老名姫菜。
今まで八幡視点から見てきた彼女は少し変わったところがあるだけのリア充、といった程度でした。
彼女もまた、彼女なりに譲れないモノがあるのでしょう。結衣の様に他者に合わせるのではなく、八幡の様に一歩引くのでもなく、ここからここまでという自分の領域を作り上げ、周囲に浸透させていく付き合い方。友達に囲まれているか、いないかの違いはありますが彼女もまた八幡と同じく「自分のことが嫌い」な人間なのでした。

この作品の素晴らしいところは、例えば雪乃と八幡、八幡と結衣あるいは八幡と葉山といった様に、各人物の対比が浮き彫りとなるとともに、それでもどこか共通する部分が見えてくるというところではないでしょうか。今回そこに八幡と海老名さんというカードが加わったことが、その素晴らしさを更に深めてくれるものと思います。

えーとレビューと言うより感想
あとネタバレ&過度な推測も多分に含まれるので作品自体の論評を知りたい方はスルーしていただけると幸いです

今回の八幡の解決方法は他のラノベであれば笑い話で終わりかねない
しかしシリアスに捉えられていましたね
葉山グループを救いはしたものの奉仕部グループは傷つけてしまった
なぜ、自分の環境を犠牲にしてまでそこまでする必要があったのか

作中にあった海老名さんの解決方法
”失くしてしまうくらいなら、自分で壊してしまう”
そこに繋がるのかな、と思いました

実際こんなことだれもしたいはずがない
救ってあげるほど仲がいいわけでもなければ義理もない
だとしたらやはり他に理由があるのだろう

雪乃と結衣、この二人は友達同士である
今の八幡がどちらかを選んでしまえば二人の友達関係も壊れてしまうだろう
友達を失う痛みを八幡は知っていて、悲しくも慣れてしまっている
ならば慣れている自分だけが傷つく方が痛みは少ないと考えているのかもしれない
”雪乃と結衣の友達関係”を守るために、八幡は傷つき続けるのかもしれない

と、勝手に想像してせつなくなった
全然的外れかも知れんけど
…願わくば、八幡に救いあれと思います

追記:他の方のレビュー読んでると奉仕部の2人がなぜ怒ったのかいろんな解釈があるようですが、
私は単純に自分の好きな人がウソであれ他の女に告白してるとこ見せられるのは良い気分しないと思いますよ

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