ボーイズ・オン・ザ・ラン(4) (ビッグコミックス) の感想
参照データ
タイトル | ボーイズ・オン・ザ・ラン(4) (ビッグコミックス) |
発売日 | 2013-02-04 |
製作者 | 花沢健吾 |
販売元 | 小学館 |
JANコード | 登録されていません |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » コミック |
購入者の感想
この漫画の素晴らしいところは、田西とちはるの精神的な距離感だろう。1巻でのちはるは、田西にとって清楚で可愛らしい処女という素人童貞男の妄想、まるで聖女のような存在だった。それが2巻・3巻とちはるが田西にとって様々な意味で身近な存在になるにつれ、実感を持って接する1人の女性として浮かび上がってくる。さらにこの4巻では、これまであくまで被害者でしかなかったちはるが青山の後輩とも関係を持っていたことを田西が知ってしまう。これはもしかしたら後輩の虚言かもしれないが、読んだ瞬間「あ、でもやってそう・・・」と誰もが思ってしまうはずで、そのことから読者はちはるをただの被害者とは見られなくなり、あくまで悪いのは青山だけど、自身にも問題がなかったとは言えない、恋愛経験が浅いからとか寂しさからとかだけでは済まされない1人の女のだらしなさをちはるから感じるはずだ。さらにこの感覚は田西にとってのちはるとの距離感(存在の現実感)と見事に比例している。こういった一連の流れがあまりにもスリリングで、あらためてこの漫画はとてつもなく面白いと感じさせられるのだ。序盤に出てきたボクサーが『赤灯えれじい』のきらたかしだとかそんなことはどうでもいいぐらいだ。なにはともあれ、とにかく今一番続きが読みたい漫画。絶対オススメです。