内田樹の大市民講座 の感想

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タイトル内田樹の大市民講座
発売日2014-11-20
製作者内田 樹
販売元朝日新聞出版
JANコード9784022512345
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » エッセー・随筆

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内田先生がAERAに900文字のエッセイを6年半書き綴ってきたものを、一冊の本にまとめた物です。全6講に分かれており
第一講 大市民のための生き方・仕事論
第二講 大市民のためのメディア論
第三講 大市民のための国際関係論
第四講 大市民のための教育論
第五講 大市民のための政治・経済論
第六講 大市民のための時代論
から構成されています。内容の触りを紹介すると、162のテーマの1つである、中国人にとっての「国境」概念では、中国人の国境の概念が、近代政治による国境の概念と異なるという。世界の中心に皇帝が存在しており、遠い周辺に存在する化外の民が国境を策定して、ここからは中国ではないということは中華思想的には認められないのではないかと内田先生は言う。どこに帰属するのかわからない土地が中国の周辺部にあると想念されることは中国人にとって自然なことだと論じる。
「安倍バブル」に踊らされるなでは、週刊誌などがバブルを強調し、バブルと週刊誌自身がいうからには、いつかははじけると見越しているのだろうと内田先生は言う。前のバブルの時には日本人のほとんどが、マネーゲームで儲けることは、道に落ちている小石を拾うよりも簡単なことと本気で大人が口走っていた。どこの世に道にお金が落ちているものか、それは、いずれ紙くずになる物を高値でつかまされた人間が敗者になるゼロサムゲームで敗者の金が勝者の懐に移動しただけだ。この金の移動は何も価値ある物を生み出さない。経済学的なことは素人なのでアベノミクスについては解らない、とのことである。こういったテーマについて、まとめるのに難しい字数のエッセイに取り組んでいる。現時点で一番新しい内田先生のエッセイ集である。不条理なことの多い現代を生き抜くのには、この本はちょうど良い地図となるであろう。

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