大人のための図鑑 地球・生命の大進化 -46億年の物語- の感想

地球と生命の進化の歴史についてまとめた本。ビジュアルな資料が満載されており、オールカラーで印刷が良好なことが特徴である。単行本サイズだが、美しさは科学雑誌Newton別冊顔負けといったところ。パラパラとめくっているだけでも楽しい。

最初の「巻頭特集 写真で見る奇跡の星・地球」では、10ページにわたって海と陸の自然と生命の写真を載せてある。次いで「プロローグ 押さえておこう地球のしくみ」というのがあり、地球の内部、プレートテクトニクス、火山、海流、大気、地球磁場の基本原理についてきれいなイラストで説明してある。

それ以降は、「第1部 地球の誕生と進化」「第2部 現在までの地球」「第3部 地球と人類の未来」の3部構成になっている。太陽系の誕生、地球と月、生命の誕生、大酸化イベントと地球凍結、大型生物の誕生、カンブリア爆発、P/T境界での大量絶滅、恐竜時代、K/Pg境界での小惑星衝突、ヒマラヤ山脈の誕生、哺乳類の登場、人類の進化、温暖化、未来の地殻変動、太陽が明るさを増して地球がハビタルゾーンから外れる、地球外生命の可能性といったことが色鮮やかなイラストや写真を中心として解説されている。

大気における酸素や二酸化炭素の濃度の移り変わりが地球環境や生命進化に与えた影響について強く意識して編集されているし、火山活動や地殻変動と環境の関係についてもわかりやすい。これらによって、地球の変遷と生命進化の関係が密接な関係性を持った一体のものとして見通し良く理解できるように構成されている。