茶―利休と今をつなぐ (新潮新書) の感想

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参照データ

タイトル茶―利休と今をつなぐ (新潮新書)
発売日販売日未定
製作者千 宗屋
販売元新潮社
JANコード9784106103926
カテゴリ » ジャンル別 » 趣味・実用 » 茶道

購入者の感想

若い茶人による、新しい「茶の本」。

茶道、茶の湯、お茶とは何かを説明しようとすると、結構難題で、岡倉天心の本を読んでも(日本語訳でも英語でも)、結局良く分からない。作法なのか、技術なのか。心、道と言われると、もっと分からない。楽しみであるならば、何で茶道なのか。アメリカ生活のある著者は、こうした基本的な難題について、茶とは、総合芸術、表現芸術の一種、絵画でもなく、パフォーマンスでもない、「インスタレーション」という新たな芸術のジャンルであると説く。なるほど。そう思うと、分かりやすい。でも、それを何で一般の人が高いお金を払ってわざわざ習わないといけないの?こうした問いに、著者は、茶会(それも狭い茶室で行われる、懐石、濃茶、薄茶と進む4時間程度の会)がいかに人の心を通わせるか、その美点について、著者が経験した二つの茶会の例を引いて語る。なるほど。ゴルフの接待のようなものなのね。ゴルフよりも沢山お金が掛かり、洗練され、もっと濃密かつ文化的なものと思えば良いのだろう。

暗く狭い空間で、濃密な時間を共有し、お互いの文化的な素養、教養、育ち、拠って立つところを掛け軸や道具、会話、料理、菓子を通じて確認し合い、隙のない茶を点てるパフォーマンスの一部始終を見守ることでのみ生まれる緊張。そしてその後訪れる芸術的なカタルシス。記憶と思い出。

奥が深く、でも一般人にはとても踏み入れられそうにない世界が、そこにあった。

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新潮社から発売された千 宗屋の茶―利休と今をつなぐ (新潮新書)(JAN:9784106103926)の感想と評価
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