丹生都比売 梨木香歩作品集 の感想
参照データ
タイトル | 丹生都比売 梨木香歩作品集 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 梨木 香歩 |
販売元 | 新潮社 |
JANコード | 9784104299102 |
カテゴリ | 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » な行の著者 |
購入者の感想
「西から来た魔女」以来梨木香歩さんの愛読者です。梨木さんの作品にはいつも自然界の植物や動物への深い知識と、人物に寄り添う愛がある。この本の表題作の主人公、草壁皇子も史実に添いながらも、彼の死は夢幻と詩情に昇華されている。他の短編もみな飾らない文章の中に登場人物たちが愛と哀感の中にえがかれている。興味を持たれた方には是非一読をお勧めしたい。
9つの短編集
前半の短編は、隠喩が入れ子構造になっているような感覚です。
読み進めるとある一点で、それらが鮮やかに開かれて理解が届く感覚を味わったり、またそれが語られることなく、凝ってしまったり…読後の作品世界に浸れました。
私のオススメは、後半の『コート』(未発表)…たった4頁程度の作品です。にもかかわらず、これだけ心を揺さぶられるのは初めての体験でした。
『夏の朝』(「飛ぶ教室」1994年春号)。…こんなにも登場人物全てを、優しさを持って描ききる梨木さんの深いまなざしを私も持ちたいと思いました。
『丹生都比売』は、小中学校で歴史を学んでいたとき、この物語に出会えていたら、その後の歴史の勉強が、もっと生き生き下物になっただろうなぁと。
こんな物語こそ、今、本当に時代が求めているものではないかなぁ。
前半の短編は、隠喩が入れ子構造になっているような感覚です。
読み進めるとある一点で、それらが鮮やかに開かれて理解が届く感覚を味わったり、またそれが語られることなく、凝ってしまったり…読後の作品世界に浸れました。
私のオススメは、後半の『コート』(未発表)…たった4頁程度の作品です。にもかかわらず、これだけ心を揺さぶられるのは初めての体験でした。
『夏の朝』(「飛ぶ教室」1994年春号)。…こんなにも登場人物全てを、優しさを持って描ききる梨木さんの深いまなざしを私も持ちたいと思いました。
『丹生都比売』は、小中学校で歴史を学んでいたとき、この物語に出会えていたら、その後の歴史の勉強が、もっと生き生き下物になっただろうなぁと。
こんな物語こそ、今、本当に時代が求めているものではないかなぁ。