石仏探訪必携ハンドブック の感想

「石仏探訪必携ハンドブック」というよりも「石造物探訪必携ハンドブック」としたほうが内容的にも正しい。

タイトルは「石仏」の文字を入れているが、実態は鳥居や石塔、手水鉢なども含めた「石造物」全体を取り上げた書籍である。

仏様毎の特徴についての解説は全頁の18%しかなく、石仏の尊名を特定できる図録&解説といった内容でもないし、図示された仏様は一部で、多くは１行程度のわずかな文章で説明されているのみ。

「全国の霊場一覧」「諸国の一の宮」「宗派・開祖と主な寺院」など不要！「私の石仏探訪メモ」という空白ページが全体の17%を占めているのが無駄。

如来・観音・地蔵・庚申塔・石祠等の種類や形態、元号、種字、宗派や開祖、霊場の名称等が記載され、石仏観察には持って来いの本です。厚さは1cmほどで、携帯や検索に便利です。ただ、この本を読みこなすには石仏に関する知識がある程度必要なので、石仏について詳しく知りたい場合は別の書籍を購入する方が良いです。