ペルシャの幻術師 (文春文庫) の感想

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参照データ

タイトルペルシャの幻術師 (文春文庫)
発売日販売日未定
製作者司馬 遼太郎
販売元文藝春秋
JANコード9784167105921
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学

購入者の感想

表題作が著者のデビュー作だと知り、気になって購入してみた。
それまで司馬さんの作品は幾つか読ませて頂いたけれど、この作品ほど感銘を受けたものはない。その作品群の完成度に、正直驚いた。
『空海の風景』を書いた時、あとがきの中で司馬さんは「私は、雑密の世界がすきであった」と語った。
デビューから5年の間に書かれたこの文庫に収められている8つの短中編は、その言葉を如実に表しているのではないだろうか。
幻術、なんていう言葉がまさにそうだが、それをおそらく司馬さんは何年もかけて本気で追及していたのだろう。
話は「ペルシャの幻術師」の舞台であるペルシャから、「果心居士の幻術」つまり日本の忍者まで飛ぶ。その間に、「兜率天の巡礼」で、古代日本とユダヤ人と古代キリスト教の関係について言及している。
インドで生まれた密の世界がチベット、モンゴルを通り、やがてネストリウスの伝える景教とともに我が国に入り、秦氏が生まれ、そこから山伏や忍者の世界につながっていくといった、このスケールの大きな作品群が偉大なる作家のスタートだったのは、同じく雑密の世界を好きな自分としては感動的だ。

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