ソロモンの指環 動物行動学入門 の感想

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参照データ

タイトルソロモンの指環 動物行動学入門
発売日2014-10-30
製作者コンラート ローレンツ
販売元早川書房
JANコード登録されていません
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 外国のエッセー・随筆 » イギリス・アメリカ

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「ソロモンの指環」とは、旧約聖書に出てくるソロモン王が、けものたちと話すために使ったアイテムが「ソロモンの指環」。いっぽう本書『ソロモンの指環』は、動物行動学者が動物たちを親しみの眼差しで観てきたその記録。親しい動物となら指環なしでソロモン以上に話せると著者ローレンツは胸を張る。
 どの話も劇的に思えたのは、レトリックを使って魅せているからではなく、動物たちの行動自体が想像以上に魅力的なものだったから。たとえばコクマルガラスはギャアギャアと鳴いて仲間が捕食者に捕われないように助ける。それでいて「助けてやったんだ」なんていう恩着せがましさはこれぽっちもないらしい。
 動物をつぶさに観察する著者ローレンツ。その像をかってに想像すると、日高敏隆先生(この本の訳者)と、畑正憲さんを足して2で割った人が浮かんできた。動物行動学の研究のため(というより動物が純粋に好きだったのかも)、自分の家や敷地に、トゲウオ、ホシムクドリ、サル、ハイイロガンなど、いろんな動物を飼った。鳥が檻の外へ飛んで行ってしまっても、かならずといってよいほどローレンツの元へと戻ってくる。
 ヒナが卵から孵ったとき、初めて目にした動く物を親と信じてしまう、あの「刷り込み」の話も出てくる。ローレンツが親と化してガンを巣立つまで育て上げる姿はこっけい、かつ「鳥たちはどうなってしまうの」というサスペンスさえある(無事、ローレンツは親鳥の役目を果たした)。
 一冊まるまる、動物への接し方の手本そのものだ。ペットを飼っている方、これから飼おうとしている方、動物が好きな方、嫌いな方、どんな方でも読めば動物を見る目が変わると思う。

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