天竺熱風録 (祥伝社文庫) の感想
参照データ
タイトル | 天竺熱風録 (祥伝社文庫) |
発売日 | 2011-06-09 |
製作者 | 田中 芳樹 |
販売元 | 祥伝社 |
JANコード | 9784396336820 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 文学・評論 » 歴史・時代小説 |
購入者の感想
田中芳樹が以前から興味があるとあちこちで書いていた王玄策を主人公とした痛快冒険活劇。基本的には歴史的事実にもとづいている。
唐の皇帝の命を受け、チベット、ネパールを越えてはるばる天竺に向かう王玄策一向。ところがすでに名君戒日王はなくなり、天竺は簒奪者が支配するところとなり、一向は牢にとらえられてしまう。王玄策は、牢から脱獄し、ネパールやチベット兵を借りて、天竺を圧倒的兵力を誇る簒奪者から解放しようとするが・・・?
独特の芝居調のナレーションを採用し、田中氏としては珍しい構成。必ずしも史料が残っているわけではなく、だいぶ創作によるところが多いと見受けられ、中にはいささかご都合主義にすぎる部分も見受けられるが、それを補ってなおあまりある魅力的なストーリー構成と人物描写である。田中氏お得意の台詞の丁々発止、いかに多数の敵を打ち破るかの戦術、心地よい勧善懲悪、余韻の残るキャラクターたちとの別れ、ちりばめられた教訓など、読むべきところの多いエンターテイメント良作である。
唐の皇帝の命を受け、チベット、ネパールを越えてはるばる天竺に向かう王玄策一向。ところがすでに名君戒日王はなくなり、天竺は簒奪者が支配するところとなり、一向は牢にとらえられてしまう。王玄策は、牢から脱獄し、ネパールやチベット兵を借りて、天竺を圧倒的兵力を誇る簒奪者から解放しようとするが・・・?
独特の芝居調のナレーションを採用し、田中氏としては珍しい構成。必ずしも史料が残っているわけではなく、だいぶ創作によるところが多いと見受けられ、中にはいささかご都合主義にすぎる部分も見受けられるが、それを補ってなおあまりある魅力的なストーリー構成と人物描写である。田中氏お得意の台詞の丁々発止、いかに多数の敵を打ち破るかの戦術、心地よい勧善懲悪、余韻の残るキャラクターたちとの別れ、ちりばめられた教訓など、読むべきところの多いエンターテイメント良作である。