競争戦略論〈2〉 の感想
参照データ
タイトル | 競争戦略論〈2〉 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | マイケル・E. ポーター |
販売元 | ダイヤモンド社 |
JANコード | 9784478200513 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » ビジネス・経済 » オペレーションズ |
購入者の感想
基礎的な戦略要素を企業戦略に転化するための
分野が中心です。
具体的には
国の競争優位ではダイヤモンドを、
クラスター理論では新たなframeworkを提示し、
最後に章でグローバル企業の勝ち方を企業というシステム全体に利する
手法をどのように企業が時には部分最適化を捨てて成しているかを
要素別にbreakdownして理論に昇華し、著者の狙いの内容に落とし込まれています。
私は戦略論を主に競争分野に関してこなしました。
その中で、ポーター教授がずば抜けて理論の高度性、分野で必要なそのものずばりの
適切性を提示しており、私も世界ナンバーワンの方と現地現物して評価です。
また、教授はプリンストンの理系学部卒業と理数系にも秀でているためか、
他の著者(マルキデスさんやクリステンセンさん)よりも
理論を数学的に表現することも、私好みで素晴らしいです。
逆に言うと、こんな素晴らしいものを海外ではいろんな人が使用する一方、
日本人は、ごくごく一部の人しか使用すらしたことないと思うと・・・。
日本が海外に戦略分野で、いや少しでも戦略遂行的業務をこなす人のレベルに関し
追い付くことすら夢だな、と思いました。
著者は最初の1冊競争の戦略は有名企業経営者なら必ず持っていると述べていますが、
日本の経営者で1人くらいは持っているのだろうか?ってレベル。
日本の企業経営の低レベルさは結果と内容から常々明白ですが、
著者がライジング・サン時代の日本を、戦略変換しないと危険と警鐘を鳴らした
その通りの結果となっていることが、著者の戦略意見の適切性を更に保証していると言ってよい。
分野が中心です。
具体的には
国の競争優位ではダイヤモンドを、
クラスター理論では新たなframeworkを提示し、
最後に章でグローバル企業の勝ち方を企業というシステム全体に利する
手法をどのように企業が時には部分最適化を捨てて成しているかを
要素別にbreakdownして理論に昇華し、著者の狙いの内容に落とし込まれています。
私は戦略論を主に競争分野に関してこなしました。
その中で、ポーター教授がずば抜けて理論の高度性、分野で必要なそのものずばりの
適切性を提示しており、私も世界ナンバーワンの方と現地現物して評価です。
また、教授はプリンストンの理系学部卒業と理数系にも秀でているためか、
他の著者(マルキデスさんやクリステンセンさん)よりも
理論を数学的に表現することも、私好みで素晴らしいです。
逆に言うと、こんな素晴らしいものを海外ではいろんな人が使用する一方、
日本人は、ごくごく一部の人しか使用すらしたことないと思うと・・・。
日本が海外に戦略分野で、いや少しでも戦略遂行的業務をこなす人のレベルに関し
追い付くことすら夢だな、と思いました。
著者は最初の1冊競争の戦略は有名企業経営者なら必ず持っていると述べていますが、
日本の経営者で1人くらいは持っているのだろうか?ってレベル。
日本の企業経営の低レベルさは結果と内容から常々明白ですが、
著者がライジング・サン時代の日本を、戦略変換しないと危険と警鐘を鳴らした
その通りの結果となっていることが、著者の戦略意見の適切性を更に保証していると言ってよい。
「国レベルでの競争力をいう場合、唯一意味のある概念は生産性である」。
この下巻は、「国の優位性」「クラスターと競争」「グローバル企業に学ぶ勝ち方」「多くの立地にまたがる競争」という構成になっている。上巻よりは厚みがあるが、非常に興味深い内容である。特に、国の優位性とクラスタに対しての解説は白眉である。例えば、本書が書かれたときは中国はそれほど有力な国ではなかったが、ここに書かれているクラスタ理論の解説は、その後に発展した広州や深センなどにもほとんど当てはまるように読める。
また、「そもそも、国として競争力を高める狙いは、自国の労働者により高い賃金を提供することのはずだったのではないだろうか」というような指摘は、格差やワーキングプアや貧困の問題がクローズアップされる現代の日本において、はっとさせるものがある。
上下巻を通してつくづく思うのは、真の競争力というのは、単一の要素によって成り立つものというよりも、国家戦略やインフラなども含めた非常に複合的な要因や関係や相互作用によって、また様々な階層が関係して実現されるものだということだ。その点をまず通して理解してから、最初の方に書いてある「グローバルな競争が激化する一方の世界において、国の重要性は、減じるどころか、ますます高まっている」というポーター教授の指摘を改めて読むと、ほとんど10年前に書かれたとは思えないその洞察力の深さに強い感銘を受ける。
ちなみに、最後の第5章のタイトルは「資本の損失」であり、副題は「米国の投資システムの破綻」である。「米国のシステムが抱える問題は、主として自業自得によるものである」「全体としてみると、米国の資本配分システムが米国経済に大きく貢献しているとは言い難い。システムに参加している者も満足していないし、お互いに問題の責任をなすりつけあっている」というのは、米国発のサブプライム問題で世界が揺れている今読むと、独特の感慨が湧いてくる。
この下巻は、「国の優位性」「クラスターと競争」「グローバル企業に学ぶ勝ち方」「多くの立地にまたがる競争」という構成になっている。上巻よりは厚みがあるが、非常に興味深い内容である。特に、国の優位性とクラスタに対しての解説は白眉である。例えば、本書が書かれたときは中国はそれほど有力な国ではなかったが、ここに書かれているクラスタ理論の解説は、その後に発展した広州や深センなどにもほとんど当てはまるように読める。
また、「そもそも、国として競争力を高める狙いは、自国の労働者により高い賃金を提供することのはずだったのではないだろうか」というような指摘は、格差やワーキングプアや貧困の問題がクローズアップされる現代の日本において、はっとさせるものがある。
上下巻を通してつくづく思うのは、真の競争力というのは、単一の要素によって成り立つものというよりも、国家戦略やインフラなども含めた非常に複合的な要因や関係や相互作用によって、また様々な階層が関係して実現されるものだということだ。その点をまず通して理解してから、最初の方に書いてある「グローバルな競争が激化する一方の世界において、国の重要性は、減じるどころか、ますます高まっている」というポーター教授の指摘を改めて読むと、ほとんど10年前に書かれたとは思えないその洞察力の深さに強い感銘を受ける。
ちなみに、最後の第5章のタイトルは「資本の損失」であり、副題は「米国の投資システムの破綻」である。「米国のシステムが抱える問題は、主として自業自得によるものである」「全体としてみると、米国の資本配分システムが米国経済に大きく貢献しているとは言い難い。システムに参加している者も満足していないし、お互いに問題の責任をなすりつけあっている」というのは、米国発のサブプライム問題で世界が揺れている今読むと、独特の感慨が湧いてくる。