人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか (日経ビジネス人文庫) の感想
参照データ
タイトル | 人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか (日経ビジネス人文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 水野 和夫 |
販売元 | 日本経済新聞出版社 |
JANコード | 9784532196912 |
カテゴリ | ジャンル別 » ビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 経済学 |
購入者の感想
経済統計や図表を使って、1995年をはさんで世界の仕組み、その前提が革命的な変化をおこしていることを色々な視点からあぶり出している。論じているのは世界経済なんて狭い領域の話ではない。世界の国々、企業、個人が直面している現実、数百年のスパンでとらえた世界システムの変遷、そのなかで日本と日本企業はどう対応しているのか、である。資産運用を行っている人に必読の書。
本書の要旨は、「米国の赤字に対して新興国の黒字があり、世界のマネーの均衡は今のところとりあえず保たれている。日本の景気回復はアジア新興国への輸出によるものであり、輸出に関わらない地域や企業にとっての景気は回復してない。世界の市場に参加しないかぎり回復はない。米国の赤字は米国が国策として世界の投資マネーを米国へ吸い込むことで補間しているが、対外債務の支払い利子が増加していくから、米国内で消費できる資金は低減して行き、事態がこのままでもあと30年で米国の成長はとまってしまう。経済の主役になるのは、国家の枠を超えた超国家企業である。国ごとの金融政策や産業政策は今後は効果がなくなる。」と言ったところです。ブローデルやウォーラーステインの近代世界システム観に基づいた経済解説書です。日本を含めた先進国は近代システムを卒業してしまったので、その経済成長は良くて2%、一方、新興国は近代システム社会に入ったばかりだから、かっての日本のような高度成長が継続する。で、日本はこれからどうなるか、というと、格差は拡大し固定化する、そして米国の衰退に連れ添って、不景気になる。ただし、世界に進出して内需への依存性を低くした企業は生き残る。
本書の要旨は、「米国の赤字に対して新興国の黒字があり、世界のマネーの均衡は今のところとりあえず保たれている。日本の景気回復はアジア新興国への輸出によるものであり、輸出に関わらない地域や企業にとっての景気は回復してない。世界の市場に参加しないかぎり回復はない。米国の赤字は米国が国策として世界の投資マネーを米国へ吸い込むことで補間しているが、対外債務の支払い利子が増加していくから、米国内で消費できる資金は低減して行き、事態がこのままでもあと30年で米国の成長はとまってしまう。経済の主役になるのは、国家の枠を超えた超国家企業である。国ごとの金融政策や産業政策は今後は効果がなくなる。」と言ったところです。ブローデルやウォーラーステインの近代世界システム観に基づいた経済解説書です。日本を含めた先進国は近代システムを卒業してしまったので、その経済成長は良くて2%、一方、新興国は近代システム社会に入ったばかりだから、かっての日本のような高度成長が継続する。で、日本はこれからどうなるか、というと、格差は拡大し固定化する、そして米国の衰退に連れ添って、不景気になる。ただし、世界に進出して内需への依存性を低くした企業は生き残る。