ギャルとギャル男の文化人類学 (新潮新書) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトルギャルとギャル男の文化人類学 (新潮新書)
発売日販売日未定
製作者荒井 悠介
販売元新潮社
JANコード9784106103346
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 文化人類学・民俗学 » 文化人類学一般

購入者の感想

本書は、「イベサー」と呼ばれる集団に属するギャルとギャル男のエスノグラ
フィーである。「文化人類学」と題されてはいるものの、内容は分析的という
よりも記述的なものなので、著者の修士論文にあるように「エスノグラフィー」
として読むほうが誤解がなくてよいだろう。

著者はかつて有名な(?)「イベサー」に所属し、代表までを務めた経験をも
っている。その経験から「イベサー」につどうギャルやギャル男の価値意識、
規範意識にまで言及していく。本書は記述的な内容を中心としており、先行
研究をあげて、ユース・カルチャー、現代若者論、逸脱研究のなかに本事例を
埋め込むようなことはしていない。
ただ、佐藤郁哉の『暴走族のエスノグラフィー』と比較をしながら読むのも
面白い。共通点としては、ある一定期間がすぎると“卒業”があるということ
だろう。ギャルやギャル男が警察に逮捕されるまでのことはせず、あくまで青
年期の「アソビ」として割り切っている。これは、佐藤が暴走族の若者を合法
的な生活領域と逸脱的領域の間を「漂流」する存在として描いたところと何ら
変わりはなく、いうならば社会によって管理された逸脱の様式の1つとみること
もできる。形態が暴走族からイベサーに変わっても根底には通じるものがある
ように感じた。さらに、仕事と遊びの混在したような状況が暴走族にもイベサー
にもみられ、単に遊び仲間という範疇を超えた組織化がなされている。
本書の記述を読みつつ他の事例と比較するのがさらに面白い読み方になるので
はなかろうかと思う。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

ギャルとギャル男の文化人類学 (新潮新書)

アマゾンで購入する
新潮社から発売された荒井 悠介のギャルとギャル男の文化人類学 (新潮新書)(JAN:9784106103346)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.