脳波所見をどう読むか―92症例の臨床現場から の感想

（この分野にありがちな）歴史的名著とされる「脳波判読step by step」，ひたすらこれを読みなさいと指導されてきた私は，何度も読み始めるもののいつも途中でさじを投げてしまい．結果として神経内科専門医でありながら脳波判読を相当の苦手としてきました．それでも症例を経験し数多くの脳波を実際に読んできたことで，曲がりなりにもまずまずわかるようになってきたというところでした．そんな中この書に遭遇した訳ですが，掲載されている脳波所見とその説明の明快であること！今までの苦労は何だったのかという想いでいっぱいです．もっと若い時にこのような書に巡り会っていれば…神経症候学もそうですが，我が国の脳波学もすぐれた指導書が存在しなかったために，軽んじられ進歩してこなかったのだと思います．おすすめの良書です．