おとぎ話の忘れ物 (ポプラ文庫) の感想

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参照データ

タイトルおとぎ話の忘れ物 (ポプラ文庫)
発売日2012-04-05
製作者小川 洋子
販売元ポプラ社
JANコード9784591129159
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » あ行の著者

購入者の感想

あとがき等も含めて約120頁で、そのうち約半分が小川洋子さんの小編「おとぎ話の忘れ物」「ずきん倶楽部」「アリスという名前」「人魚宝石職人」「愛されすぎた白鳥」。残りが樋上久実子さんの絵。

あとがきを読むと、絵があって、それに和すようにおとぎ話が書かれ、その後絵が一点追加されたようだが、04年〜05年に絵が描かれる前におとぎ話のモチーフ程度は樋上さんに伝えられていたのでは? 特に「ずきん倶楽部」と「人魚宝石職人」の前に配された絵はお話の内容にぴったり。

表紙を見てわかるような絵と小川洋子さんらしい不思議な話が響き合って、世界のどこかにあるかもしれない異空間が拡がる。本書全体の幕をあける「おとぎ話の忘れ物」は沈黙博物館や薬指の標本に通じる、物にまつわる記憶と静寂の話。続く4編はどれもブラックな落ちがあり、単純なおとぎ話ではない。おとぎ話または童話の元々の姿は冷酷なお話であることが多いそうだが、そうだとすると小川洋子さんはまさに現代のおとぎ話を書いたことになる。

小編を読んで絵の頁をパラパラめくり、小川ワールドの空気を吸う。ちょっとした日常のチェンジ・オブ・ペース。

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