深愛 (しんあい) (幻冬舎文庫) の感想

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参照データ

タイトル深愛 (しんあい) (幻冬舎文庫)
発売日販売日未定
製作者水樹奈々
販売元幻冬舎
JANコード9784344421356
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » イラスト集・オフィシャルブック

購入者の感想

単行本をすでに読んでいる上でのレビューです.
巻末のNHKの石原さんの解説が秀逸でした.
アニソンを色ものとして認知されていた風潮をどうやって払拭できるか.
なぜ水樹さんが紅白の常連になれたか.その答えが解説を読むと少し見えました,
この解説の他にも水樹さんのプロデューサーである三嶋さんと水樹さんの対談.あとがきも文庫用に新しくなっています.
あと,最初のグラビアも新しく美しいです^^

内容は増々ですが価格はお安くなっています.文句なしの☆5

面白かった。ドラマでもこういう筋書きはなかなか難しいだろう。歌手&声優として活躍する水樹奈々の自伝。こんなにいろいろ苦労して努力と下積みを重ねて成功の道を歩んだのか、と思った。豊かな声量と歌唱力が魅力的な歌姫だが、それは一流の演歌歌手にするために5歳から中学卒業まで父親にスパルタ式で徹底して喉を鍛えられた賜物であることもこの本で知った。

とても素直な言葉で語っている。父親の厳しい指導。地元新居浜で歌で頭角を現したころ。学校でのいじめ。東京行きのプレッシャーがかかった中での「全国せとうちカラオケ選手権大会」での優勝。堀越学園芸能活動コース入学&即デビューと思ったら、皆勤賞(つまり仕事が無い)。学校指定の靴下を買うお金すらなんとかやりくりして捻出するというギリギリの貧乏生活が続き、勉強にいそしんで奨学金を手にする。さらに声優の学校にも通う。高校2年のときには所属事務所が潰れてしまう。セクハラの被害にも遭っている。

プレイステーション用ゲームのキャラクターのオーディションでつかんだ声優の仕事。しかし、監督から続くダメ出し。「今日はもう帰っていいよ」と言われたことも。アニメやゲームの盛況期にチャンスをつかみ、歌も歌い、ライブを見に来たキング・レコードのプロデューサーに才能を見込まれ、先生の下を離れて本格的に歌手デビュー。父親の死を乗り越え、オリコン1位、武道館やさいたまスーパーアリーナや東京ドームでLive。2009年には紅白歌合戦にも出場する。「あれだけ歌えて、あれだけ喉が成熟しているのに、80年代のアイドル以上に不可侵的な処女性があるんです。しかも、声優。新しい時代のアーティストになれます」という三嶋プロデューサーの予見は見事的中したといえる。

いろいろな困難に遭って、ちょっとくじけそうになって一時体重が7kgオーバーすることがあっても、実に前向きに夢に向かって努力を重ねてたくましく生きてきたことが伝わってくる。声優や歌の仕事について説明する平易な言葉にプロフェッショナリズムが宿っている。支えてくれた人々への感謝も忘れない。拍手を贈りたくなるようなシンデレラ・ストーリーである。

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