女の子のための現代アート入門―MOTコレクションを中心に の感想

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タイトル女の子のための現代アート入門―MOTコレクションを中心に
発売日販売日未定
製作者長谷川 祐子
販売元淡交社
JANコード9784473036445
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

 本書を読むとよく分かるのは、「現代アートの展覧会の企画者として才能を高く評価されている人」が、入門書を書く才能も持っているとは限らない、ということです。
 残念なことですが、長谷川さんは壊滅的に文章が下手なのです。
 
 たとえば本書を冒頭から読んでいこうとすると、3つ目の文で既に頭がショートしそうになります。「子供の肌の美しさを見るときそこには、これから世界とふれていくことによって、世界を吸収し、大きく変わっていく潜在的な可能性を、みずみずしさと柔らかさのなかに含んでいます。」(p.6) こういった、眉間にしわを寄せて読み返すしかない文章が続出するのです。
 
 とはいえ、そのような作文上の問題であれば、子供の文章を添削するつもりで読んでいけば何とかなるでしょう。
 しかし、本書の文章は、内容的にも問題があるのです。というのも、タイトルに『入門』とあるにもかかわらず、実際は、既に現代アートに入門済みの人に向けて書かれているのです。
 
 まず、本書には素人に対して平易に解説するという視点は一切ありません。それについては長谷川さん自身も自覚しているようで、「はじめに」の部分に、本書は「やさしいアート入門書」とは違う、と明言してあります。やさしい入門書を読みたい方は、対象読者ではないので、気をつけてください。
 次に、これは感性の問題かもしれませんが、例えば「私たちは他愛もなく、ロスコの絵画に心を奪われる。」(p.58)というように、本書は、「現代アートって心惹かれるものだよね」という地点からスタートしています。ですから、「そもそも現代アートって何が面白いのか分からないね」という、現代アートの門の外にいる人間は、最初から置いてきぼりで、相手にされていないのです。
 
 何にしても、本書が気になる方は、とりあえずミュージアムショップや書店で中身をぱらぱら見てから購入することをおすすめします。
 ちなみに長谷川さんは、『「なぜ?」から始める現代アート』 という、これまた面白そうなタイトルの新書も出していますが、そちらもやはり、私の能力では理解しがたいものでした。

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