書店不屈宣言: わたしたちはへこたれない (単行本) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル書店不屈宣言: わたしたちはへこたれない (単行本)
発売日販売日未定
製作者田口 久美子
販売元筑摩書房
JANコード9784480818409
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 本・図書館 » 図書館情報学

購入者の感想

書店への愛、そして紙の本への愛に満ちた著者の語りと口吻で一気に読了しました。電子書籍やネット書店など、近時の出版・書店事情を知るためには絶好の一書。

「電子書籍、電子書籍って騒がれていますけれど、児童書は大丈夫って私は思います。絶対になくならない、絶対です。特に絵本は。プレゼント需要が圧倒的に多いから」(126頁、わむぱむ 山井洋子さん発言)
「「効率的な買い方」が日常生活に入り込んでくると、選書に失敗するという遊びがなくなり、本の選び方が痩せてくるのではないか? ・・・ 「文化」というものは無駄と無理の果てにあるもの、と私は無謀にも考えている。実は本心では無謀でさえない、と思っている」(186頁)。
「インターネットが変えた「効率的な本の買い方」が、本を手に入れる際の「物語」を失わせている。それがボディブローのように効いている、と私は頑固に信じている。本はそれを手に入れ、読んだ時の状況が、ひとの記憶に影響を及ぼす道具なのだ、とまで信じている。ああ、こんなふうに馬鹿を承知で叫んでも、しょせん負け戦。なぜなら「そんなちっぽけな物語」しかも「楽しいとは限らない物語」などいらない、のが「現代」なのだから。毎朝ジュンク堂のネット注文分を棚から抜く作業をしていると、書店員としてのアイデンティティがすり減っていくような気がする」(191~2頁)。

電子本論争について、紙本と電子書籍の使い分けや棲み分けは勿論肝要ですが、やはりどっちから入るのかが決定的に重要であるように思います。情報入手としての読書はさておき、真の読書はやはり幼少時からどれだけ紙本のクオリアや手触り(そして重み)、読書をめぐる「物語」などに親炙したかが勝負ではないでしょうか。この点、書店は日本の知の最前線であり、わが国の将来を支える知的インフラであるとさえ思われます。(米国在住時代、彼の地の書店にもよく行きましたが、あの「大味さ」には最後まで馴染むことができませんでした。)普段はどうしてもネット書店を利用することの多い評者なのですが、この本は街の本屋さんで買いました。これからもdo my best。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

書店不屈宣言: わたしたちはへこたれない (単行本)

アマゾンで購入する
筑摩書房から発売された田口 久美子の書店不屈宣言: わたしたちはへこたれない (単行本)(JAN:9784480818409)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.