だれが「音楽」を殺すのか? (NT2X) の感想

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タイトルだれが「音楽」を殺すのか? (NT2X)
発売日販売日未定
製作者津田 大介
販売元翔泳社
JANコード9784798107035
カテゴリジャンル別 » ビジネス・経済 » IT » 情報社会

購入者の感想

ネットに音楽論壇のような世界があることは、一般にはあまり知られていません。本書はその中心的ウェブサイトである音楽配信メモの著者が、最近の主要な論点「レコード輸入権」「CCCD」「違法コピーとファイル交換」「音楽配信」についてまとめたものです。
本書が優れているのは、幅広い立場の意見をきちんと集めていることです。著者は一通り論点を書き出した上で、「私はこう思う」と述べています。意見に賛同するかどうかは別として、議論を俯瞰したい方には重宝します。また著者の提言はたいてい推量形か疑問形で結ばれます。消費者の権利拡大による音楽文化の発展は、業界の被害と同様に不明確だからです。これもまた著者の誠実さを示していると思います。
生産者と消費者では後者の方が圧倒的に多いので、ふつうは消費者寄りの発言が受けます。著者は消費者なので、当然本書も大筋で消費者寄りなのですが、無理筋の生産者批判への反論も多々織り込まれています。あとがきにも「業界を批判する前に勉強すべき」との主張がありますが、都合のいいところだけ拾い読みするのではなく、じっくり読み込むことを勧めます。
カセットテープは庶民の盛り場から生演奏を駆逐しました。音楽がパッケージを失いデータとして流通していく今後、生業としての音楽の道はいっそう狭まります。価格破壊で「市場」が縮小していく経済状況の中、音楽業界のサバイバルから目が離せません。

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翔泳社から発売された津田 大介のだれが「音楽」を殺すのか? (NT2X)(JAN:9784798107035)の感想と評価
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