ローカル線で温泉ひとりたび の感想

たかぎさんの大ファンで全ての著書を愛読しています。

そんな私が今回の本を「あれ？物足りない？」と思ってしまったのは
過去の旅本のインパクトが大きすぎたからかも…。タイトルが一新されたので
中身が違うのは当たり前ですが、過去の旅本の流れを求めている方は要注意です。

たかぎさんが旅に慣れてしまったので仕方ありませんが、
電車を待つ→電車に乗る→食べる→温泉→寝る、の繰り返しが延々と続きます。
「ひとり旅○年生」のようなドキドキ感や、焦り、不慣れならではの発見はありません。
「ローカルごはん旅」のように同伴者との愉快な会話もありません。

しかし脱力系のかわいい絵は健在ですし、レトロな駅を「かわいい」と表現して楽しむ
たかぎさんは健在で微笑ましいです。旅先で出会う人に思わぬ助けを得たり、財布を落とす・
電車を逃すなどのトラブルがとても面白おかしく描かれています。また、旅の参考になるよう
な路線・乗り換え・交通費・宿泊費が旅ごとに細かく書かれているので温泉旅行好きさんには
参考になるのではないでしょうか。

個人的には前作の「マラソン」のように、新しいことにチャレンジして不慣れながら
頑張って物事を達成する本の方が好きです。上京の本がファンの心を引きつけてやまない
ように、そんな高木さんの姿を求めているファンも多いのではないでしょうか？
次回作に期待したいと思います。