わが朝鮮総連の罪と罰 (文春文庫) の感想

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参照データ

タイトルわが朝鮮総連の罪と罰 (文春文庫)
発売日販売日未定
製作者韓 光煕
販売元文藝春秋
JANコード9784167679415
カテゴリ » ジャンル別 » 人文・思想 » 宗教

購入者の感想

朝鮮総連の大幹部にして、大物工作員であった韓光煕氏。本書は、彼が語る総連と
共に歩んだ半生を、ジャーナリスト野村旗守氏が聞き書きした衝撃の証言である。
韓証言のもたらした当時の衝撃の大きさを知るには、野村氏による「あとがきに
かえて」から読むのもいいかも知れない。本書が公にされるまでの経緯と背景
がよく分かると思う。9.17小泉訪朝により、金正日が拉致を認めたことで、
総連を見切った関係者から多くの告発がなされるようになったが、本書の刊行
はそれ以前である。いかに勇気の必要な行為だったかが想像できる。それにして
も驚くべき内容だ。本書に描き出される韓氏の数奇な運命や、同胞のためと信
じて疾駆してきた波瀾に満ちた活動人生。その壮絶さに引き込まれてしまい、
読む手が止まらない。本書の最後に韓氏の独白がある。「現在の総連の活動で
ただの一つでも同胞の役に立っていることがあるだろうか。いや、むしろ、やって
いるのは、同胞に害を及ぼすようなことばかりではないか」活動家として総連に
身も心も捧げ尽くした男の苦い悔恨のうめきに、読者は何をお感じになるだろうか。

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