山頭火のぐうたら日記 の感想

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タイトル山頭火のぐうたら日記
発売日販売日未定
製作者種田 山頭火
販売元春陽堂書店
JANコード9784394902614
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 詩歌 » 句集

購入者の感想

読んでいて 実践したくなる しかし出来ない 出来ないから憧れる 再び読む 益々憧れる 

種田山頭火は、いまから128年前の1882年(明治15年)12月3日に山口県防府市で生まれた俳人。

といっても普通じゃなく、自由律俳句という五・七・五の定型にこだわらず季語を入れない俳句を、誰でも普通の人でもわかる単純明快な言葉で作った人。

もっとも、白状すると実は私、つい昨日まで彼のことはかなり好意的な印象を抱いていて、孤高の放浪俳人みたいに思って崇高ささえ感じていたのですが、この機会に『山頭火句集』とかこの本を読んで熟考しまくってみて、まったく別の結論に達したというわけです。

11歳の頃の母親の自殺、早稲田に入るも神経衰弱で中退、大地主の子という出自でしたが父親の放蕩と自らの酒乱のせいで破産してからは、不幸な運命から逃れるすべなく転がるように滅亡への途を歩み出したようですが、その後の弟と父の自殺、彼自身も生活苦から自殺未遂をし、そのとき助けられたお寺の住職のもとで得度して僧侶となったあと寺を去り、放浪の旅に出てはあいかわらず酒びたり、といった一見して自由奔放・質実剛健なようですが、実は困難に立ち向かおうともしない自分を律することのできない、典型的な運命に身をまかせる自暴自棄の破滅型の人生を送った人です。

その弱さが、その純粋に悶え苦しむ清廉潔白さが、またたまらなく愛おしいといわれれば、もう降参するしかないのですが。

たしかに、そういう軟弱ないたいけな文学の徒を愛惜する伝統が、この国には脈々と残存します。

この本は、少しはいい子いい子したよそゆきの俳句集とはまた違った、もっと汗が吹き出し、血と嗚咽がほとばしり、阿鼻叫喚が木魂する生々しいエッセイ・日記・書簡のなかから吐き出された、彼の溜息とつぶやきを集めたものです。

もっと過激な種田山頭火を知りたい人は、読まないわけにはいきません。

末尾に、彼の俳句が何千首あるか数えたことはありませんけれど、ここで私が厳選した代表的な句を2首を書きとめます。

あるいは、もしかしたら彼はただ偉大な反面教師としてのみ私たちの前に立ちはだかっているような気がします。

「どうしようもない私が歩いてゐる」

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