蓬莱人形　～Ｄｏｌｌｓ　ｉｎ　Ｐｓｅｕｄｏ　Ｐａｒａｄｉｓｅ～ の感想

上海アリス幻樂団のオリジナルCDシリーズの1作目。自分は最初に大空魔術を聴いて衝撃を受けこの1作目を手に取ったのだが、こちらも期待を裏切らない素晴らしい作品だ。

和風な民謡といった感じで包み込まれる#1からすでに引き込まれるし、その後も名前通り明治らしさが存分にでている#4、リズムチェンジがプログレのそれで、うっとりとしてしまう#9、東方の代表曲ともいえる#11など粒揃いな楽曲がずらりと並ぶ。
特に、このアルバムの中間といえる場所に、じっくりと聴かせ心に落としこむ#8を据えてきたことが素晴らしく、飽きないようにするアルバムの流れまでもが良く考えられている。

やはりZUN氏は凄い、ということが良くわかる濃厚な1枚。上海アリス幻樂団のアルバムで最初に手をとっても良いアルバムだと思います。

「大空魔術」「蓮台野夜行」「鳥船遺跡」などを列するZUN氏作曲の音楽CDシリーズの1作目。オリジナル曲に加え、過去作のセルフアレンジとなります。初期の作品ということで馴染みの深いWin版の曲は少なく（紅魔郷から2曲のみ）、旧作や西方projectの曲のアレンジが収録されています。

1.蓬莱人形
2.二色蓮花蝶
3.桜花之恋塚
4.明治十七年の上海アリス
5.東方怪綺談
6.エニグマティクドール
7.サーカスレヴァリエ
8.人形の森
9.Witch of Love Potion
10.リーインカーネイション
11.U.N.オーエンは彼女なのか？
12.永遠の巫女
13.空飛ぶ巫女の不思議な毎日

CDにのみ収録、あるいはマイナーな旧作及び西方projectで使用される曲が多いこともあり、全体的に知名度が低い曲が揃っています。「明治十七年の上海アリス」は美鈴のテーマ曲でお馴染みの人気曲ですが、実は本CD収録版が原曲。紅魔郷で使用されているのはアレンジバージョンになります。
非想天則で有名な「二色蓮花蝶」も西方projectが初出。収録されているのはそのアレンジ版。
ショートストーリーが1枚分同梱されていますが、秘封倶楽部の登場は無し。ちなみに2002年に発売されたCD-R版と以降発売のプレス版ではこのショートストーリーの内容が異なります。

「二色蓮花蝶」や「リーインカーネイション」のように割りと知られた曲もありますが、それ以外は聞く機会の滅多に無いマイナー曲といえるでしょう。独特な世界観の広がる不思議な曲が揃っているので、是非一度聞いてみることをオススメします。