万葉秀歌〈上巻〉 (岩波新書) の感想

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参照データ

タイトル万葉秀歌〈上巻〉 (岩波新書)
発売日販売日未定
製作者斎藤 茂吉
販売元岩波書店
JANコード9784004000020
カテゴリ古典 » 日本の古典 » 古代・中世文学 » 万葉集

購入者の感想

いついつまでも、世代を超えて読み続けられてほしい、斉藤茂吉選の万葉秀歌集です。
ちょっと渋いかなっとは思いつつ、友人の新しく高校生になる娘さんに贈りました。
今は無理でも、ある日、ページをめくってほしい。日本人に読み続けてほしい本。
選ばれた歌がいいだけではなく、斉藤茂吉の解説自体に文学性があるのです。

 大歌人齋藤茂吉の万葉集評釈書。万葉集全歌4516首の中で約1割を選び、評釈を加えたもの。選び方は「国民全般が万葉集の短歌として是非知って居らねばならぬ」万人向きのものと著者の感じたものである。大事なのは評釈ではなく、歌そのもので、「歌それ自身について反復熟読せられよ」と強く念じている。
 これは最も大切なことで、学者がああだこうだといじり回して歌それ自身からはなれてしまうのとは違う。〈万葉の精神〉とかわけのわからないことを論じるものではないということである。誰にでも分かる万人向きな「万葉集入門」を企図したものである。「忙しい諸氏は労働のあひま田畔汽車電車中食後散策後架上就眠等々に於て」少しずつ読まれたがよろしかろうと優しく語りかけている。

  熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな(巻1−8)  額田王

「斉明天皇が新羅を討ちたまはむとして、九州に行幸せられた途中、暫時伊予の熟田津に御滞在になった。その時お伴をした額田王の詠んだ歌である」というように平易に分かり易く、しかし、勘所を押さえた説明がなされている。本書が70年も読み継がれているのは、ただごとではあるまい。

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岩波書店から発売された斎藤 茂吉の万葉秀歌〈上巻〉 (岩波新書)(JAN:9784004000020)の感想と評価
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