Le capital au XXIème siècle の感想

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タイトルLe capital au XXIème siècle
発売日販売日未定
製作者Thomas Piketty
販売元Seuil
JANコード9782021082289
カテゴリ » 洋書 » Special Features » all foreign books

購入者の感想

 マルクスの資本論を意識して書かれた本書は駆使した膨大なデータとそれから描きあげられた豊富なグラフによって、マルクスを上回る説得力を獲得したのではないか。40歳代の若き経済学者の書にはマルクスと同じく社会正義の精神が貫かれていて、18世紀から21世紀初頭までの世界経済の流れを追いながら、つまるところあぶり出されたのは経済的不平等の歴史であった。

 この本には難しい数式は殆ど出てこない。唯一頭に入れておかなければならない数式と言えば r / g くらいのものだ。 rは資本利益率 (資本に基づく利息収入、配当、賃貸料その他もろもろの合計の対資本の割合)、 gは労働と生産物価格の合計すなわち国内総生産の成長率だ。ピケティの分析によれば r / g  の数値が大きいほど貧富の差が大きいという。現在先進国で標準的な r / g の値は600%付近だといわれている。例として具体的数字を当てはめてみよう。日本の g が2%として r が12%ならば r / g = 6 、 これを非常に単純化して言えば資本の成長率は国内総生産の成長率の6倍ということになり、金持ちの財産は労働者(貧乏人)の財産をはるかに上回る勢いで増大しているのだ。

 18世紀から20世紀初頭(1913)に至る200年間、フランスでは年金生活者が幅を利かせて彼等は企業経営者よりも高い地位に君臨していた。ここで言う年金とはフランス国債保有者に支払われる利子のことであって、現在日本の年金制度とは全く別のものなのであるが、およそ200年にわたり4~5%の安定した配当が続いた。この配当は国内総生産の成長率を上回っていた。しかし国家財政はこれにより、かなりの赤字を抱えていたようである。フランスにおける19世紀末から1910年に至る期間は年金生活者の華やかな贅沢が極限に達した時期でベル・エポックと呼ばれた。この時代ヨーロッパで世襲財産の集中が最も進んだ。全人口中最上位の1%の大金持ちが国の富の20%を独占していた。アメリカ等新世界で富の集中は16~18%にとどまっていたのに対し日本ではヨーロッパ並みに20%の集中に達していた。

ピケティは、資本収益率を不労所得者である最富裕層を念頭にこう定義しています。不労所得層の剰余価値の収奪としての不労資産の拡大こそが、格差拡大の元凶であり、それを累進課税で収奪仕返し、社会的に格差を是正し、社会保障に当てるのは正しい!

資本収益率とは、資産が一年間にもたらす利益(賃貸料、配当、利子、キャピタルゲイン)であり、それ自体労働によるものではなく、労働者の剰余価値の搾取、収奪の結果を指しています。それが、今では経済成長率がゼロに等しいままでも、巨額の不労所得が1%に蓄積されていき、年率4から5%で拡大している状況を指して、さらに彼はこういっています。

ピケティ:此れを現実の世界で言えば、不平等は拡大する一方だということになる。此れは能力主義を軸足にした民主社会では受け入れられない。(364ページ)

また、低所得層に不平等な消費増税は正にフラットタックスです。一元的に低所得者にも、富裕層にも同率で課税するのは、その社会的、経済的不平等が存在する以上、低所得である程、一元的に課税したら生活に困窮するのです。それは、格差拡大になります。ピケティも、私もそのようなフラットタックスに反対ですし、彼が念頭に置いて累進課税を適用しようとしているのは、資産所有だけで、何もしなくても拡大していく富を有しているだけの不労所得層です。一定の低所得層の免税を彼も主張しています。彼らから正統且つ平等に収奪されている勤労の剰余価値を収奪仕返すのは、格差是正の最も現実的な手法だと思います。

本書は、原語でも英語でも日本語でも、どの版で熟読しても感激です! 

原語で、「21世紀の資本」を読んでるようですが(笑)

格差社会って、不平等なんですかね。もちろん、皆が、同じインフラを使っているわけですから、累進課税等による富の再所得分配は必要だと思いますが。

機会均等を前提にしたら、生産性が高い奴が「富を持つ者」になり、生産性の低い奴が「富を持たざる者」になるのは、民主主義に適っていると思うんですが。だから、機会均等を、前面に言うのは正しい意見と思いますが、不平等を、前面に言うのは、正しい意見とは思いません。

誰もが同一賃金になった共産主義国家、ソ連では、どのような現象が起こったか?「どれだけ働いても、賃金が同じなら、働かなくてもいいや」という発想になり、国家は破綻しました。

仏語の理解不足?わざとの世論操作?

レビュアーの中に、翻訳者いるの、知ってます?いつまでも誤った世論操作を垂れ流すようなら、翻訳者に、コメント出しますけど?

翻訳者の職業、知ってます?東大出身の野村総研の研究員ですよ?そっちが本業で、翻訳の方が、従の仕事ですよ。

現在43歳のフランス人経済学者が(特に先進諸国での)経済的不平等拡大を各国納税データ等を元に解き明かした大作。2013年秋に本書(仏語原書)発売後、今年3月に英訳版刊行され、英米メディア(FT紙、The Economist誌、NY Times紙、WSJ紙、TIME誌)で話題席巻(もちろん賛否両論)。900頁超の大部(英訳版も600頁超)ながら、平易な仏語でさながらピケッティ教授の講義を聴講している気分になりました(話題がやや横道に逸れることもしばしば)。欧米に比べれば日本はまだ「平等さ」保たれているものの、世代間格差よりも「世代内格差」是正の重要性を指摘しています。まだ2/3程度しか読んでおりませんが、フランス語のテキストとして活用するのも良いと思います(バルザックからの引用多し)。

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