要件事実入門 の感想

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参照データ

タイトル要件事実入門
発売日販売日未定
製作者岡口 基一
販売元創耕舎
JANコード9784990651541
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購入者の感想

予備試験を数年後に考えている初心者です

 後輩の法科大学院生から,これから要件事実を勉強するのに,岡口・入門は要件事実の入門書として適しているかという質問を受けた。
 さっそく岡口・入門を買って読んだが,初めて要件事実を勉強する人は,この本はやめた方がよい。理由は,次のとおり。
1)独自説が多すぎる。
 初学者としては,まず,司法研修所の見解(新問題研究)を理解するところから始めるべきである。司法試験でも,修習生になってからも,まずそれが基本になる(司法研修所の見解がよいと言っているのではない)。ところが,本書は,独自の見解が多く書かれており,初学者がそれを一般的な見解かと思って理解することを心配する。たとえば,本書は,抗弁は4種類あるとして(一般的には3種類),「請求権の発生要件の不存在」という新しい抗弁を述べる。しかし,このような抗弁は聞いたことがなく(発生障害要件を2つに分けるようであるが,その必要性があるのかよくわからない),岡口独自説だと思うが,一般には通用しない。
2)要件事実のそもそも論が多いわりに,各類型の個別の説明が少なく,理解が困難。
 新問研とか最近の要件事実の書籍は,要件事実とは何かというような大上段な議論はわざと避けて,個別の問題を検討し,そこから各自が要件事実というものを考えるとよいというスタンスだと思われるが,本書は,証明責任規範説や法規不適用説など,総論に頁を割いている。もともと頁数を絞っているのに,そもそも論に力を入れているので,肝心の各論(86頁~148頁)はあっさりしたもので,これでは入門者にとって理解は困難である(頁数が少ない本は,説明が不十分で,わかりにくいことが多いのと同じ)。
3)難解な解説が多い。
 第2章(要件事実総論)の後半部分(51頁~84頁)は,初学者はまず理解できないと思われる(著者も,「この部分は初学者は読み飛ばしましょう」と説明している)。付録と漫画を除いた本編は,148頁しかないのに,33頁も読み飛ばすと,読むところがますますなくなってしまい,十分に理解できないまま,本書を読み終えてしまう。

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