平和の毒、日本よ の感想
参照データ
タイトル | 平和の毒、日本よ |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 石原慎太郎 |
販売元 | 産経新聞出版 |
JANコード | 9784819111713 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論 |
購入者の感想
これは、産經新聞の「正論」に掲載された平成十八年三月から平成二十四年六月までの石原氏の論文を時系列的にまとめて一冊の本にしたものである。冒頭の産經新聞出版・編集部からの「注」によると、「日本は多くの喫緊の課題を抱えていますが、ここ数年、それらの問題に前進がみられません。石原慎太郎氏は、そうした課題に対して終始一貫、スタンスを変えずに発言を続けています。本書では、社会の流れ、発言の流れがわかるように古い順から時系列でまとめました。」となっている。
石原氏がここで述べているのは、社会、政治、経済、国際に関しての論であり、全部で73編からなっているので、これを読めばここ数年に石原氏が懸念を表してきた日本国の問題点を復習できるようになっている。私は、自分の住んでいる、そして子や孫がこれから生きて行く日本国というものに対しておおいに愛着と関心があるので、一遍一遍に啓蒙される思いで読んだ。
中でも私が感銘を受けたのは、「現憲法の歴史的正当性」、「実存の希薄化」(インターネットなどの普及により人同士の接触機会が減った事について提言)、「靖国再考」、「人間の真の強さ」(全盲の福島・先端科学技術センター教授=石原氏の小説、再生、のモデルになった方について)、「無償の行為の価値」(アマチュアスポーツについて)、「国家の戦略とは何か」、「核保有に関する覚え書き」、「天皇陛下の勇気」(東日本大震災に関して)である。
石原氏の言動や行動について、保守的とか、専横的とかの批判もあるだろうが、しかしこの人ほどに内外を問わず日本国の対面する問題について提議し、政府や経済界や社会を叱咤・激励して、更に啓蒙する人を知らない。編集部の「注」にもあるように、「スタンスを変えずに発言を続けている」ことが我々への励みになっていると思っている。過去の論文の焼き直し、と侮るなかれ、である。読後に背筋が伸びた思いがする。
石原氏がここで述べているのは、社会、政治、経済、国際に関しての論であり、全部で73編からなっているので、これを読めばここ数年に石原氏が懸念を表してきた日本国の問題点を復習できるようになっている。私は、自分の住んでいる、そして子や孫がこれから生きて行く日本国というものに対しておおいに愛着と関心があるので、一遍一遍に啓蒙される思いで読んだ。
中でも私が感銘を受けたのは、「現憲法の歴史的正当性」、「実存の希薄化」(インターネットなどの普及により人同士の接触機会が減った事について提言)、「靖国再考」、「人間の真の強さ」(全盲の福島・先端科学技術センター教授=石原氏の小説、再生、のモデルになった方について)、「無償の行為の価値」(アマチュアスポーツについて)、「国家の戦略とは何か」、「核保有に関する覚え書き」、「天皇陛下の勇気」(東日本大震災に関して)である。
石原氏の言動や行動について、保守的とか、専横的とかの批判もあるだろうが、しかしこの人ほどに内外を問わず日本国の対面する問題について提議し、政府や経済界や社会を叱咤・激励して、更に啓蒙する人を知らない。編集部の「注」にもあるように、「スタンスを変えずに発言を続けている」ことが我々への励みになっていると思っている。過去の論文の焼き直し、と侮るなかれ、である。読後に背筋が伸びた思いがする。
石原氏のような戦争を経験した世代と、私のような戦争を教科書の中の出来事としてしか知らない世代では、考え方に天地ほどGAPがある、と感じた。後数年もすれば戦争を経験した世代の人達は、誰もいなくなってしまう。その時、日本はどうなるんだろう。この国の国防を本気で考えてくれる人は、どれ程いるのだろうか?そんな不安を感じた作品でした。
「21世紀に、戦争なんて起こる訳ない。」と考えている人達にこそ読んで欲しい本です。
「21世紀に、戦争なんて起こる訳ない。」と考えている人達にこそ読んで欲しい本です。
本書は、産経新聞に連載された著者の重厚な論究をまとめたもの。メディアからは伝わってこない
著者の思索が露見されます。何かと風当たりの強い著者ですが、日本の姿を見て取る力、諸外国との
関係やそれを踏まえた日本のあり方を提唱する姿勢には瞠目します。
歴史上諸外国から絶賛された勤勉なる民族性、桜やコウロギ等に季節を強く感じ取る感性、
日本人としての矜持は何なのか、本質的に変らぬ意識構造にあっても、改めて問わなくてはならぬ
というおもいに駆られます。
当座の権勢獲得のため肝心なことは告げない官僚、先見性のない財政運用。日本のあり方において、
我欲による近視眼的思考が、日本の人材や政治までに及ぶことには共鳴します。
日本人としてのアイデンティティは何なのか、世界各国との関わりの中では、否が応にも自覚を
強いられます。それを基にした日本人としてのあり方を再考し、どのように諸外国と交流していくか、
大きな視点で考えることが必要と自覚するのですが、情報社会にのまれていることも、同時に自覚します。
情報が氾濫するいまにあって、判断を再び情報に委ねるのではなく、自らの判断を取り戻し、
広く長期的な思考を取り戻すということの重要性が、ひしひしと伝わってきます。
著者の思索が露見されます。何かと風当たりの強い著者ですが、日本の姿を見て取る力、諸外国との
関係やそれを踏まえた日本のあり方を提唱する姿勢には瞠目します。
歴史上諸外国から絶賛された勤勉なる民族性、桜やコウロギ等に季節を強く感じ取る感性、
日本人としての矜持は何なのか、本質的に変らぬ意識構造にあっても、改めて問わなくてはならぬ
というおもいに駆られます。
当座の権勢獲得のため肝心なことは告げない官僚、先見性のない財政運用。日本のあり方において、
我欲による近視眼的思考が、日本の人材や政治までに及ぶことには共鳴します。
日本人としてのアイデンティティは何なのか、世界各国との関わりの中では、否が応にも自覚を
強いられます。それを基にした日本人としてのあり方を再考し、どのように諸外国と交流していくか、
大きな視点で考えることが必要と自覚するのですが、情報社会にのまれていることも、同時に自覚します。
情報が氾濫するいまにあって、判断を再び情報に委ねるのではなく、自らの判断を取り戻し、
広く長期的な思考を取り戻すということの重要性が、ひしひしと伝わってきます。