ヴィンランド・サガ(6) アフタヌーンKC の感想

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タイトルヴィンランド・サガ(6) アフタヌーンKC
発売日2012-09-28
製作者幸村誠
販売元講談社
JANコード登録されていません
カテゴリ »  » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL

購入者の感想

 北欧のヴァイキングを描いた作品の第6巻。デンマーク王子クヌートを王の
もとまで護衛する主人公の少年戦士トルフィンたちと、それを追走する猛将トルケル
率いる敵軍との戦闘が今巻で決着する。

 この6巻の見所は、やはりしょうもないヘタレだった王子クヌートが従者の
死とアル中のキリスト教宣教師との対話を契機に王としての目覚めを果たす
ところだろうか。人間の身でありながら同じ人間たちを統率し先導しようとする
王という存在が神と決定的に相容れないのは自明であり、その道はいばらの道に
間違いない。しかしクヌートは、自らが王となって人々の世に楽園をもたらすことを
決意する。「愛」という不確かなものを、やはり不確かな人間という生き物なりに、
極めていくことを心に決める。「そなた達の戦いに 生と死に 意味を与えてやろう」。
そう言って、自我を失った狂戦士も敵兵も、あのトルケルさえも飲み込んでいく
クヌートの様はまさに圧巻だった。

 他にもトルフィンが親の仇であるアシェラッドと協力してトルケルに立ち向かう
場面など、充実した巻。神の愛への懐疑がキリスト教徒自身から投げられる
なかなか興味深い議論もあったりして、個人的にはとても間口のひろい作品だと
思う。多くの人に読んで欲しい。

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