租税抵抗の財政学――信頼と合意に基づく社会へ (シリーズ 現代経済の展望) の感想
参照データ
タイトル | 租税抵抗の財政学――信頼と合意に基づく社会へ (シリーズ 現代経済の展望) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 佐藤 滋 |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784000287364 |
カテゴリ | ジャンル別 » ビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 財政学 |
購入者の感想
最近の税制論の主流は消費税増税を合理化する立場のものが多いような気がします。財政危機から脱するにはどうしたらいいか。いろいろ考察するものの、結局は消費税の増税しかないとして、上げる税率をどの程度にするかを考察する、こういうスタイルの書が目立ちます。
この本は所得税の累進度を高めることを主張しており、消費税増税論で終わる本とは明らかに異なっています。
タイトルにあるように、全編を通じたキーワードが「租税抵抗」です。その意味するところは、社会保障の制度充実が遅れることになり、税制と財政への信頼度が高くならず増税への抵抗が強い時代が続いた。その結果として財務書省も自民党も所得税減税に走ったことが財政危機の原因となっているという分析です。
図表を使って議論を展開をしていますが、結論の導き出した方にも教えられることが多いです。税制論になれてない方にとってはやや難しいと思われますが、じっくり読めば得ることは多いと思われます。
この本は所得税の累進度を高めることを主張しており、消費税増税論で終わる本とは明らかに異なっています。
タイトルにあるように、全編を通じたキーワードが「租税抵抗」です。その意味するところは、社会保障の制度充実が遅れることになり、税制と財政への信頼度が高くならず増税への抵抗が強い時代が続いた。その結果として財務書省も自民党も所得税減税に走ったことが財政危機の原因となっているという分析です。
図表を使って議論を展開をしていますが、結論の導き出した方にも教えられることが多いです。税制論になれてない方にとってはやや難しいと思われますが、じっくり読めば得ることは多いと思われます。
日本の福祉が十分じゃない、それは、みんなが理解できる。しかし、財源を所得税に求め、収入330万から695万までの層を現在の20%から40%への引き上げなど、あり得ない増税をして、それでも毎年13兆円程度の増収しか見込めないなど、絵に描いた餅。「信頼も合意も」出来ない。