社会変革のシナリオ・プランニング――対立を乗り越え、ともに難題を解決する の感想
参照データ
タイトル | 社会変革のシナリオ・プランニング――対立を乗り越え、ともに難題を解決する |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | アダム カヘン |
販売元 | 英治出版 |
JANコード | 9784862761859 |
カテゴリ | ジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会一般 |
購入者の感想
この本に書かれている内容は国家レベルから職場等の小さなシステムに至るまで、それらが抱えている諸問題を解決に導く「糸口を見出す」には大変有効な手段です
とはいえ実際に「実践する」となると生半可な覚悟では完遂できるものではないということも読み取れます。
(だからこそアダム・カヘン氏は伝説のファシリテーターと呼ばれているのではないでしょうか?)
実際、私は本を読み進めながら、身の回りの組織(150人弱のシステム)を念頭に、
・システム全体からチームを招集する。
・何が起きているか観察する
・何が起こりうるかについてストーリーを作成する
・何ができて、何をなさねばならないか発見する
・システムの変革をめざして行動する
といった流れに沿って、あれこれ考えながら読み進めましたが、想定される作業の困難さと膨大さ、さらに最善を尽くたところで、良い変容が見られる保障など一切ない、という厳しい現実。等々、
正直シュミレーションですら、何度も投げ出したくなりました。
とは言え、この本の内容を多くの人が「知っている」というだけでも社会に変容は起こり易くなると思います。
多くに方に読まれることを期待したい本です。
最後に、唯一残念だったのは失敗事例についての記述が少ないこと・・・なのですが、きっと作者には「思い出したくもないこと」もたくさんあると思われるので、仕方ないのでしょうね。
とはいえ実際に「実践する」となると生半可な覚悟では完遂できるものではないということも読み取れます。
(だからこそアダム・カヘン氏は伝説のファシリテーターと呼ばれているのではないでしょうか?)
実際、私は本を読み進めながら、身の回りの組織(150人弱のシステム)を念頭に、
・システム全体からチームを招集する。
・何が起きているか観察する
・何が起こりうるかについてストーリーを作成する
・何ができて、何をなさねばならないか発見する
・システムの変革をめざして行動する
といった流れに沿って、あれこれ考えながら読み進めましたが、想定される作業の困難さと膨大さ、さらに最善を尽くたところで、良い変容が見られる保障など一切ない、という厳しい現実。等々、
正直シュミレーションですら、何度も投げ出したくなりました。
とは言え、この本の内容を多くの人が「知っている」というだけでも社会に変容は起こり易くなると思います。
多くに方に読まれることを期待したい本です。
最後に、唯一残念だったのは失敗事例についての記述が少ないこと・・・なのですが、きっと作者には「思い出したくもないこと」もたくさんあると思われるので、仕方ないのでしょうね。
「学習する組織」を読んで、その文脈を理解してから読むと更に理解が深まると思います。
もしくは、訳者の小田氏の解説を読んでから本文を読むのも良いと思いました。
困難に直面した国、地方自治体と大きなシステムをどう再構築していくか、
未来を描く手法としてシナリオ・プランニングがいかに有用かという点だけでなく、
その失敗例も紹介されている点がよいと思いました。
「絶対解はない」という前提に立って、どのような可能性が考えられるのか、
あらゆる想定をしていくことが変革のダイナミズムを生み出していくことに
必要であるということに説得感を持たせています。
また、章末に自治体のケースを用いて、実際に描かれたシナリオ例も記載
されているので、シナリオ・プランニングを用いて社会変革のあり方を描いて
いく際の具体的なイメージを持つことができます。
本書で扱われているのは国家や地方自治体といった大きなシステムが中心ですが、
企業やチームに当てはめたときにどのように運用していくのかを考えた際に、
運用する先が小さなシステムであるほど、実践に移す際には最初の問題設定が
重要だと感じました。特に課題意識を持つ人が少ないシステムや構成体での変革は
果たしてこの手法は有効なのかといった点について、今後も著者の活動に注目したい
と思います。
もしくは、訳者の小田氏の解説を読んでから本文を読むのも良いと思いました。
困難に直面した国、地方自治体と大きなシステムをどう再構築していくか、
未来を描く手法としてシナリオ・プランニングがいかに有用かという点だけでなく、
その失敗例も紹介されている点がよいと思いました。
「絶対解はない」という前提に立って、どのような可能性が考えられるのか、
あらゆる想定をしていくことが変革のダイナミズムを生み出していくことに
必要であるということに説得感を持たせています。
また、章末に自治体のケースを用いて、実際に描かれたシナリオ例も記載
されているので、シナリオ・プランニングを用いて社会変革のあり方を描いて
いく際の具体的なイメージを持つことができます。
本書で扱われているのは国家や地方自治体といった大きなシステムが中心ですが、
企業やチームに当てはめたときにどのように運用していくのかを考えた際に、
運用する先が小さなシステムであるほど、実践に移す際には最初の問題設定が
重要だと感じました。特に課題意識を持つ人が少ないシステムや構成体での変革は
果たしてこの手法は有効なのかといった点について、今後も著者の活動に注目したい
と思います。