サキソフォン・コロッサス の感想

＜Saxophone Colossus/ Sonny Rollins＞、

コロッサスは、ロードスに建てられた途方もない巨像で世界７不思議の一つ、紀元前２２５年に地震で崩壊してしまったそうです。
これにちなんで、アイラ・ギトラーさんが
このアルバムの原盤ＬＰのライナーノートにとても素敵なことを書いていらっしゃいます：

＜ソニー・ロリンズは地震で崩壊することはありません。　第一、彼はロードスではなく、カリフォーニアに住んでいますし、
彼のジャズへの計り知れぬ貢献は、地震は勿論、あらゆる自然災害によって破壊されるてしまうようなものではありません。それどころか、
ロリンズの演奏はジャズの世界に衝撃的な激震をずーっと、起しているくらいなのであります＞

わたし、これ、ほんとに、すてきな文章だと思います。

＜ソニー・ロリンズ/ サキソフォン・コロッサス＞、まさに、ロリンズはサックスの不滅の巨人です。

このアルバムの素晴らしい点はたくさんありますが、
まず、収録された曲すべてが文句なしに、素晴らしい粒ぞろいであること、
少年時代からコールマン・ホーキンスを敬愛されていたというソニー・ロリンズのスケールの大きい抒情性が力強く美しく表現されていること、そして、アルバム全体から感じられるメンバー同志の理想的なインター・プレイの完成度の高さです。

アルバムのなかの曲ですが、
＜You Don’t Know What Love Is＞、美しい曲です。
「優れたジャズメンは、必ずバラードの名手である」、ロリンズのこの演奏を聴きますと、しみじみと、それを実感させられます。
途中でダブル・タイムを使うマックス・ローチのドラミングの素晴らしさ、それに、トミー・フラナガンの繊細なピアノのなんて美しいことでしょう。

このほか、超・有名なロリンズの名曲、＜セント・トーマス＞、ロリンズと言えばこの曲の＜モリタート＞、などなど、

わたしは、とくに、とくに、
＜ブルー・セブン/ Blue Seven＞が大好きです！！