共同幻想論 (角川文庫ソフィア) の感想
参照データ
タイトル | 共同幻想論 (角川文庫ソフィア) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 吉本 隆明 |
販売元 | 角川書店 |
JANコード | 9784041501016 |
カテゴリ | 文学・評論 » エッセー・随筆 » 日本のエッセー・随筆 » 近現代の作品 |
購入者の感想
吉本氏の死後、名前が懐かしくなって(?)久びさ手に取りました。
既に定評がありレジェンド化している本ですが、読み手には注意も必要です。
すでに人類学や民俗学から見て、無効になっている引用文献や考え方も少なくはないと思われるからです。
ですが、それでも、後半の祭儀論から起源論までの、古代史を扱った6つは、オリジナルの輝きを放ちつづけていると思いました。たいへんに原理的な思考がつむがれていきます。
なにがすごいかと言って、自らの論旨に合うような挿話を毎度毎度見事に古事記から見つけ出してくることです。例えば「規範論」のなかでは、天つ罪と国つ罪が弁別される前の状況をちゃんとみつけてきて示し、その罪の「古形」の姿を提起しているところなど。いいかえればこじつけもあるということだが、私はむしろ見事だと感じました。
共同幻想が対幻想と同致する、という繰り返される表現に違和感がなければ、後半は唯一無二と言ってよいユニークな読書体験ができると思います。
前半は、読む方にセンスがないだけかもしれませんが、あまり入ってきませんでした。
既に定評がありレジェンド化している本ですが、読み手には注意も必要です。
すでに人類学や民俗学から見て、無効になっている引用文献や考え方も少なくはないと思われるからです。
ですが、それでも、後半の祭儀論から起源論までの、古代史を扱った6つは、オリジナルの輝きを放ちつづけていると思いました。たいへんに原理的な思考がつむがれていきます。
なにがすごいかと言って、自らの論旨に合うような挿話を毎度毎度見事に古事記から見つけ出してくることです。例えば「規範論」のなかでは、天つ罪と国つ罪が弁別される前の状況をちゃんとみつけてきて示し、その罪の「古形」の姿を提起しているところなど。いいかえればこじつけもあるということだが、私はむしろ見事だと感じました。
共同幻想が対幻想と同致する、という繰り返される表現に違和感がなければ、後半は唯一無二と言ってよいユニークな読書体験ができると思います。
前半は、読む方にセンスがないだけかもしれませんが、あまり入ってきませんでした。