大前研一 日本の論点 2015~16 の感想

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参照データ

タイトル大前研一 日本の論点 2015~16
発売日販売日未定
製作者大前研一
販売元プレジデント社
JANコード9784833421058
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

 この本は,プレジデント誌で連載している「日本のカラクリ」の一年間のストック及び特集記事から,読者の反響の大きかった稿をピックアップし,加筆修正して再構成したものである。私自身,プレジデントは定期購読しており,著者の文章はすべて読んでいるが,改めて本書を読むことで,著者の論点を再認識することができた。私が参考になった点は,次の通りである。
・韓国人は自分の国が嫌いだから,国の将来を案じるより先に国外に脱出しようと考える人の割合が世界で一番多い。日本人の場合,そんな勇気も言語能力もないから,将来を案じて何をするかといえばひたすら貯蓄する。つまり将来が不安だから,お金は使わないのだ。
・「今のうちに買っておけば,オリンピックまでに資産価値が上がるかも」という声もある。確かに50年前の東京オリンピックのときには人口増と建設ラッシュで,周辺施設の不動産価格は急上昇した。しかし人口減少社会に突入した今の日本では,オリンピック開催の20年に向かって不動産価格が持続的に上昇していくとは思えない。
・使用済み核燃料からプルトニウムを抽出して再利用するプルサーマル技術,そして高速中性子による核分裂連鎖反応を用いた高速増殖炉。これらの開発政策は,裏を返せば核兵器の燃料になるプルトニウムを国内に蓄えるための口実でもあった。もちろんウラン235の濃縮も遠心分離技術を使って国内でできるようになっている。
・活断層に関する議論は,全くと言っていいほど意味がない。活断層は将来的に活動の恐れがある(地震が起きる)と予測される断層であるが,原発は地震に耐えられるように設計されている。過去に世界で観測されたもっとも強力な活断層型の地震は,2007年7月の新潟県中越沖地震だが,直撃を受けた柏崎刈羽原発はすべて正常にスクラム(緊急停止)している。
・日本は,地理学的にも日本列島の東から西で,大体一時間半程度の”時差”がある。例えば夏の電力需要のピークが午後二時だとすると,東から西にピーク電力の時差が生じる。全国的に融通し合える電力ネットワークができれば,ピーク時に互いに融通できるから日本全体として発電量は抑えられる。夏の暑い時期は北から,冬場は南の地域から電力を融通することで,ピーク電力は随分助かるのだ。

前作「日本の論点」に引き続き、大前研一氏が、これまでプレジデント誌で連載してきた「日本のカラクリ」の記事から、特に反響の大きかったものを加筆修正して再掲載された書籍です。

「復活の秘策」と「世界の視点」の2部構成になっています。

「復活の秘策」の部では、日本経済、エネルギー問題、ソニー・日産など基幹産業大手の現状を正確に捉え、氏のこれまでの経験とノウハウをもとに、それぞれの問題への対処法を論じています。

また「世界の視点」の部では、日本とドイツ・中国・韓国との関係性、各国の今、そして今後の情勢と、日本のとるべき姿勢を論じています。

グローバルな視点と深い歴史認識、そして企業活動の正確な把握で導き出された25の論点。

これからを考えるうえで、広い視点と深い知識を持つことが必要だと、気付かせてくれる一冊です。

この本は、今年も、マクロ経済政策(財政政策と金融政策)には、何も言及をしていない本になっています。

前著の「日本の論点」でもマクロ経済政策(財政政策と金融政策)に全く、言及していませんでしたが、今年も同じでした。

大前氏は、「アベノミクス」(財政政策、金融政策、成長戦略)をメールマガジンなどで、批判をしていますが、その代替案となるマクロ経済政策(財政政策と金融政策)を提示できていません。

経済政策の根本であるマクロ経済政策(財政政策と金融政策)に何の言及もせず、「日本の論点」という題名の本が成り立つと思っているんでしょうか?

大前氏は、ミクロ経済政策の規制緩和には、興味があっても、マクロ経済政策(財政政策と金融政策)には、全く、興味を示さず、代替案も示さない本は、「日本の論点」を網羅したとは言えないと思いますので、☆を一つにします。

次回の「日本の論点」では、マクロ経済政策(財政政策と金融政策)について、書いて欲しいと思います。

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