The Curious Incident of the Dog in the Night-time の感想

私は自閉症を持つ甥っ子がいる。彼は独特のものの見方をする。私は常に彼が、次になににどんな風に興味を持ちアプローチするのか、私はいつも楽しみにしている。そのせいか、自閉症の人について書かれた本ではなく、自閉症の人の視点から描かれた本書を見て、ほぼ衝動買いに近い形で買った。
表紙は青くて、犬とは思えない犬にホークが突き刺さっている絵だ。
まず、開いて見ると、２章から始まる。１章はどこかと落丁を疑いながら読み進んで、納得。２章の次は、３，５，７，１１．．．と素数で続いて行くのだ。そう、主人公であり語り手である15歳の少年は数学のエキスパートだ。
物語は、少年が犬殺しの犯人を探すというものだが、どうやって、犯人をわりだせるのか？本当にそんなことができるのか？とひどく気になりながら少しずつ読み進んだ。何故ならクリストファー少年のものの見方にもすごく癖があって、慣れるのに時間がかかったから。
そして、最後には少年は事件を解決してしまうのだけど、その過程で、彼は自閉症と戦いながら初めて一人ででかけ、知らない人に声をかけ、道を尋ね、切符の買い方を学習し、列車に乗り見知らぬ町に行く。列車の中で彼が知らない人の使った汚れたトイレで用を足すという偉業をなしとげたときは、涙が出そうになった。だから、これは、成長の物語だと思う。