変身 Metamorphosis メルトダウン後の世界 (ノンフィクション単行本) の感想

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タイトル変身 Metamorphosis メルトダウン後の世界 (ノンフィクション単行本)
発売日販売日未定
製作者堀 潤
販売元角川書店
JANコード9784041105894
カテゴリ »  » ジャンル別 » ノンフィクション

購入者の感想

著者が米国留学中に製作した映画と同名の本書ですが、内容は3.11前に取材で訪れていた福島の人々とのつながり、3.11、その後のNHK内での葛藤、米国留学、スリーマイル原発等米国核事故施設と人々の取材、そして映画を製作するに至った経緯、米国内での映画公開に対するNHK?からの圧力、退職、それからの福島の人々、...といった2013年秋までの状況がノンフィクション形式で綴られています。

目玉は、米国でも50年間隠されて?いたシミバレーのサンタスザーナ野外実験所での世界初のメルトダウン事故について。1959年に起きた事故が1979年にUCLAの学生が突き止めるまで20年、実際に除染が開始されるまで更に20年。その間周辺住民には事実を知らされず、’原因不明’のままガン発生率の上昇などに苦しんできた&いるということが、現代の政府の対応に重なって身の毛がよだつ思いです。

また、スリーマイルの風下にあった地域住民のガン発生率の上昇のデータも。

東京電力福島第一原発事故については、犯人探しをするよりもむしろあの事故に至った&防げなかった政府や東京電力、保安院/規制庁等の’しくみ’を検証&改善しなければ、次に起きる事故に到底対応できない、と全うな意見が述べられています。原発事故避難用道路の整備など具体的な提案も。

3.11後マスコミ相手の記者会見では何故か突っ込まれなかったものの、市民団体や研究者が参加した記者会見では追及されていた’地震による原発破壊’の根拠となる件についても触れられています。

著者はその映画を「反原発の映画ではない」と言っています。2012年以降発生している脱原発のムーブメントの記録映像も何故か色あせ懐かしく見える、とも書いています。私が読んだ本書も、反原発のスタンスではなくつとめて事実の記録にとどめようとする著者の思いが感じられます。

しかし事実の羅列であっても、それを隠蔽しようとする意思やそれを実現してしまった’しくみ’の存在と問題が見事に浮かび上がってきます。

第二弾、三弾も考えているという映画も楽しみです。

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