ホット・ゾーン――「エボラ出血熱」制圧に命を懸けた人々 の感想

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参照データ

タイトルホット・ゾーン――「エボラ出血熱」制圧に命を懸けた人々
発売日販売日未定
製作者リチャード・プレストン
販売元飛鳥新社
JANコード9784864103671
カテゴリ文学・評論 » 評論・文学研究 » 外国文学研究 » 英米文学

購入者の感想

本書の内容については十分に読者の皆さんも承知のことと思うが、
アフリカで発生したfiloviruses感染症(Ebola virusと Marburg virus)のアウトブレークからはじまり、
1989年12月にワシントン郊外の動物飼育施設でアウトブレークしたEbola virus感染症の始まりから、その制圧までを迫真の記述で描き切ったnon-fictionである。
(一部ではホラー小説のように読まれているようであるが)

私自身が、生物学者で、Bio-safety level 3の研究室で働いており、
本書で描かれるUSAMRIID(アメリカ陸軍伝染病医学研究所)の近くで研究していた。
また共同研究者も、実際、USAMRIIDでEbola virusを用いた研究をおこなっており、そのdataを見ながらの
discussionを行ったこともある(膨大なdataを見せてもらったがpublishされていない、やはり情報統制のためではないか?)ので、
この本が、これ以上ないほど適切に、しかも冷静に、Hot virusの研究の一面を切り取っている事がよくわかる。

まず、これから本書を読もうとする読者にはっきりと伝えておきたいことは、これは、(脚色なしの)完全な現実であること。
そして、このような自然の驚異に立ち向かっている、名もない多くの研究者がいるという事を知ってもらいたい。

Bio-safety level 3の研究でも、私の場合は完治を可能にする薬剤のないvirusを研究対象にしているため、研究を初めて最初の一年は、半年おきに、
行われる、血液検査を見るのが怖くて、手紙で送られてくる結果を、受験の合否判定のように祈りながら開いたことを
この本を読みながら思い出した。特に研究室内に置いていた紙などで手を切った時は、われわれの扱っていたvirusが紙の上でも、
一月は不活化されないというデーターがあったため、検査結果が来るまでの数か月は、眠れない日々を送ったことも思い出した。

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