煩悩リセット稽古帖 の感想

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参照データ

タイトル煩悩リセット稽古帖
発売日販売日未定
製作者小池 龍之介
販売元ディスカヴァー・トゥエンティワン
JANコード9784887596825
カテゴリ人文・思想 » 宗教 » 仏教 » 仏教入門

購入者の感想

煩悩というのは、なにも、出世したいとか、金もうけがしたいとか、長生きしたいとかいうことばかりではなく、日常のそのへんにも転がっているもののようです。「ケーキをもう1個食べたい」(貪欲)とか、「店員の対応が悪いからブログで糾弾してやる!」(瞋恚)とか、「腹が立つことがあってケーキを食べてもおいしくない」(愚痴)とか、私たちは、ちょっとしたことで怒ったり悩んだりして、勝手に気分を不愉快にしています(上記の例は、本書をもとに私が考えたもの)。本書は、そうした日常の煩悩から解放されるための方法を、仏道の考え方に基づいて説いています。

仏道でいう煩悩には、「出世したい」などの大きなものも当然含まれるのでしょうが、かりに「出世なんて結局むなしいものですよ」と説教されても、すぐには納得できないでしょう。でも、本書は、日常の身近な煩悩を例に、それが一種の毒素であること、自分が作り出した蜃気楼に過ぎないことを説くので、「なんだか怒るのもばかばかしくなってきちゃった」と煩悩が消えてしまいます。

何しろ、例が4コマまんが形式ですから、これほど身近なものはありません。漫画家に頼んで描いてもらうのでなく、説法者たる著者自ら筆を執っているので、よけいなバイアスもかかっていません。しかも、画風が(失礼ながら)ヘタウマの極致といった親しみやすさ。ご大層な「仏教漫画」というような抵抗感もまったくなく読み進められます(著者は本書を「仏『教』」でなく「仏道」の本だとしています)。

文体も、いわゆる「脱力系」で面白い。まんがの登場人物は、〈気長に読みたまへッ〉のように、なぜか旧仮名遣い・文語体になってしまう。著者も、力説しようとするところでは、〈とんでもない嘘…ッ。〉〈記憶ごっこにすぎない…ッ。〉と、なぜか「…ッ」を使います。これは私にもうつってしまった…ッ。

ひとつ注文。解説文が短すぎてもの足りないページがあります(たとえばp.160「四聖謹」)。耳慣れない概念については、そのページで十分説明するか、他のページを参照させてほしかったと思います。

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ディスカヴァー・トゥエンティワンから発売された小池 龍之介の煩悩リセット稽古帖(JAN:9784887596825)の感想と評価
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