電子書籍の衝撃 (ディスカヴァー携書) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトル電子書籍の衝撃 (ディスカヴァー携書)
発売日販売日未定
製作者佐々木 俊尚
販売元ディスカヴァー・トゥエンティワン
JANコード9784887598089
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 本・図書館 » 出版・自費出版

購入者の感想

いよいよiPadが日本に上陸!という訳で電子デバイスの普及に伴い注目を集めている電子書籍。
本書発刊はiPad日本発売の直前、という時期ではありますが、著者は自称活字中毒者、しかもアメリカで既に発売されてきた電子書籍ツールを使用した経験から、「電子書籍の衝撃」を語ります…
というタイトルに象徴されるようなコンセプトは大変によろしいと思います。本(紙媒体)から電子書籍(デジタル化)への転換によって読書という行為そのもののカタチが大きく変わる可能性がありますし、しかも、「読む」行為だけでなく「書く」行為(つまりセルフパブリッシング)をも変えていくことにより、既存文化の破壊ではなく、新たな進化と創造を生み出すものととらえるべきだと思います。
しかしながら、音楽業界の事例を引くことが多い著者の主張は明らかに迫力不足。唯一、日本の出版業界の旧弊に警鐘をならすところは非常に共感できましたが、電子書籍の登場でどのような可能性が広がるのか、そのあたりの指摘が通り一遍な感じでした。「衝撃」というからには、iPadなどは世の中の半分くらいの人が持つようになったら入手を考えよう、という私のようなレベルの一般人に、わかりやすくその「衝撃」を解説して欲しかった。
入門書としては偏りが目立ち、専門書としては浅い…目のつけどころはいいと思うのですが、残念な一冊でした。

けっこうためになること、役立つことも書かれていますが、文章がマズイのが残念。ひと言で言うと、独りよがりの文章です。
著者は元新聞記者らしいのですが、このような文章を書いているようでは、ほとんど伝わらないでしょう。たとえば、以下の文章――。

つまりアンビエント化によって引き起こされるリパッケージは、コンテキストの流れる圏域にまでミニマル化される。(262ページ)

いったい何人の人がこの文章を理解できるのでしょうか。
一応、「アンビエント」や「リパッケージ」の説明はされているのですが、その説明がまたわかりにくい。少なくとも、もっとずっとわかりやすく説明することは可能です。
文章をもっと推敲して、読みやすくしてから、出版してほしかった。内容が悪くないだけに惜しまれます。
文章が読みやすければ、この本の売れ行きはもっとよいと思います。文章のわかりにくさに関しては、出版社(編集者)の責任も大きいような気がします。つまり、何の指摘もしなかったのではないかと。
★2つとさせていただきましたが、内容だけから付けるとすると、★3〜4です。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

電子書籍の衝撃 (ディスカヴァー携書)

アマゾンで購入する
ディスカヴァー・トゥエンティワンから発売された佐々木 俊尚の電子書籍の衝撃 (ディスカヴァー携書)(JAN:9784887598089)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.