Gradle徹底入門 次世代ビルドツールによる自動化基盤の構築 の感想

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参照データ

タイトルGradle徹底入門 次世代ビルドツールによる自動化基盤の構築
発売日販売日未定
製作者綿引 琢磨
販売元翔泳社
JANコード9784798136431
カテゴリジャンル別 » コンピュータ・IT » コンピュータサイエンス » システム管理・監査

購入者の感想

GradleはMavenの規約を引き継いでいて、スクリプト内には省略されている部分も多いです。本書はそういった省略箇所も略さず解説してくれるので結果としてリファレンス書のようにもなっています。ですが、デフォルトのビルドに不満だからこそGradleを始めるのだと考えると、これくらい詳しい方がいいのだとも思えます。
またビルドツールそのものに詳しくない人にも、ビルドツールというブラックボックスの中身を一つ一つ解説してくれることはありがたいことだと感じました。

少し残念なのは、Gradleスクリプトの記述言語であるGroovyに関する説明が(Groovyの本ではないのでしかたないですが)やや不足気味なことです。Groovyの文法はJavaと共通しているといわれているものの、GradleではJavaと共通しない記法が多用されています。本書の説明とJavaの文法知識だけでは、サンプルコードのどこが型でインスタンスでメソッドなのか解読が難しかったです。
2016年8月にリリースされたGradle 3.0では、別のJVM言語であるKotlinをサポートするなど、Groovyとは少し距離を置こうとしているようにも見えるので、文法に深入りしなくて正解だったということは将来的にはありえるかもしれません。

分量が多い割には読みやすく、結局最後までざっと読むことが出来たので、星4つか5つかで迷うところですが星5つとしておきます。

ある程度の規模のアプリケーションをある程度の人数で構築するとなった場合、なんらかのビルドツールを使うことは避けられません。Java系のプロジェクトでは、おそらくMavenが、場合によってはAntが使われているのが現状でしょう。ただ、それらXML系のビルドツールに伴う煩わしさ、不自由さも少なからずあって、新しくプロジェクトを作る、あるいは、既存のビルドツールを移植したい、という状況でビルドツールを探している方にとっては、Gradleは魅力的な選択肢として映るでしょう。GradleのベースとなっているGroovyはJavaをベースとした軽量言語で、堅苦しいことなしにかゆいところに手が届く印象ですが、Gradleも同じ思想を受け継いでいるように思えます。

本書はそうしたGradleにとっての、文字通りの「徹底入門」となっています。

第一部の導入編はビルドツールの概要から、Gradleのインストール、"Hello world"の実行などが、初めてGradleを触る人にもわかりやすく解説されています。続く第二部の基礎編では、ファイル操作やロギング、依存関係の管理方法など、実際に使う上で欠かせない内容が網羅されています。それだけに留まらず、第三部の実践編、第四部の発展編では、テストやIDEとの連携、他のツールからの移行など、本格的な適用にあたって必要になるであろうことが丁寧に書かれています。また、随所に脚注が入っていて、理解を助け、また知識を膨らませてくれます。

この内容であれば600ページ近い厚さになることも頷けますし、”入門”であると同時に"徹底"であるところに、名だたる著者の方々のGradle/Groovyへの思い入れが感じられます。

Gradleのようなツールの場合、必要な情報をその都度ネットで調べるケースも多いですが、どうしても知識としては断片的になってしまいます。体系だった知識を身につけるためにも、こうした本を手元においておき、必要に応じて見返すのもよいことなのではないでしょうか。

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