国土と安全は経済(カネ)で買える~膨張中国包囲論~ (扶桑社新書) の感想

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参照データ

タイトル国土と安全は経済(カネ)で買える~膨張中国包囲論~ (扶桑社新書)
発売日販売日未定
製作者上念 司
販売元扶桑社
JANコード9784594070090
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

著者は中央大学弁論部出身ということもあって,本書の論旨は明確,さらっと読めて,理解できる内容になってます。

中国の海洋進出の原因は内陸部の国境の緊張が緩んだことで,安心して海洋進出できるようになったと明快に指摘します。

そして,中国は海洋進出を封じ込めるために中国と国境を接する国々の勢力をつけてもらうことが必要。その国々は・・・,
と各国の事情と日本のなすべき施策を論じています。

そして最後に,最も警戒すべき敵について論じています。ここが,他書が触れていない注目すべき点だと思います。
このところ東アジア情勢が緊迫する中で,一体何が起こっているのか,我々日本人は何をすべきなのかを明快に
わかりやすく解説している良書だと思います。よって星5つを差し上げます。

国の安全保障は、カネで買えるという新たなアプローチ手法を取られているようで、興味深かったので、購入した1冊です。読んでみると、予想以上に、面白い本でした。以下、要約です。

〇中国を中心とする国際情勢について

・支那共産党が海洋進出の圧力を強める理由は、陸地で支那を取り囲む国々の圧力が弱まっているからです
・今、支那共産党は、太平洋の半分を自国の生存権として管理下に置こうとしています。それは日本が掲げる「自由な通商と経済活動こそが人類の発展に寄与する」という考え方とは相いれない危険な思想です
・支那共産党は、尖閣諸島どころか、太平洋の西半分を自らのコントロールに置くために海軍を大増強しています
・この問題の根本解決を考えるのであれば、海上での封じ込めだけでは不十分です。なぜなら、そもそもの原因は陸の圧力の弱体化だからです
・漢民族は、軍事的に圧倒されると異民族の王朝を受け入れ、ひたすら彼らに媚びて取り入ろうと激しい賄賂作戦を実施します。
そして、異民族王朝側が彼らをなめてかかって油断した所で、徐々に弱体化させるための工作を開始します。そして、相手が十分に弱って抵抗力を失ったところで、一気に反旗を翻し帝位を簒奪するわけです
・ソ連が崩壊し、自国の改革開放路線が成功して高度経済成長を達成すると、前よりもずっと余裕が出てきました。それまで陸や内部からの圧力に対抗するために消費されていたリソースが、一気に海に向けて噴出したわけです
・支那は、高度成長のために日本を徹底的に利用しました。しかし、ひとたび経済成長を達成し、GDPの規模でも日本を追い抜けば、もう日本は用済みです。小平があれほど謳った「日中友好」を、その後継者たちが自ら踏みにじる行為に出ているのはそのためです
・経済が混乱し、国内が騒乱状態になると、支那共産党は国民の不満を外に向けるために、対外戦争を仕替える可能性があります

〇憲法(とりわけ、9条)について
・戦争に負けたからといって、負けた国の法律を勝手に変えていいということはありません。これは国際法秩序からいえば当然です

明解な説明に極めてすっきり納得しました。
日本の外交にはよく分からずもやもやしていたことがあったのですが、それらを晴らしてくれる一冊でした。
この本は、様々な歴史認識報道に惑わされることがないよう歴史をきっちり押さえてくれた上で、地勢に基づき、日本が実践すべき危機管理のための経済政策を分かりやすく説いてくれます。
ここ数年、ロシア、インド、トルコ、ベトナムに赴任、出張する知人が増えたなと思っていたのですが、なるほどそういう理由があったのかと納得しました。
ともすれば様々な情報に惑わされてしまいそうな昨今ですが、この本は正しい危機管理に導いてくれる良書でした。
感謝申し上げたいと思います。

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